2010年1月23日 19時8分更新
1年で最も寒さが厳しいこの時期に合わせて、岡山県津山市では冷たい川の水で和紙の原料になるミツマタの皮を洗う「川晒し」が、行われています。
津山市の上横野地区は、手すきの和紙の生産が盛んで、1年で最も気温が下がるこの時期に和紙の原料になるミツマタの皮を冷たい水に晒してゴミを取り除く川晒しを行います。
23日は、地元の和紙工房で働く上田康正さんが自宅の前を流れる横野川で、早朝からことし初めての「川晒し」を行いました。
上田さんによりますと川の水が冷たくなるこの時期は水の中の不純物が減るため、ミツマタの皮についたゴミを取り除く川晒しの作業には最も適していると言うことです。
横野川の水は凍てつくような冷たさでしたが、上田さんたちは水の中に入ってミツマタの皮をていねいに洗う作業を行っていました。川から引き揚げたミツマタの皮は、機械で細かく砕いたうえ、手すき和紙の原料として使うことになります。
上田さんは「冬場の川の水は冷たいけれど川晒しは質の良い和紙をつくるのに欠かせない作業です」と話していました。