慶応大学発のベンチャー「シムドライブ」(東京都千代田区)は22日、三菱自動車やいすゞ自動車など34の企業・団体と、車輪ごとにモーターを組み込む電気自動車(EV)の試作車を共同開発すると発表した。来年3月までに完成させ、自動車メーカーに駆動技術を売り込む考えだ。
自動車部品メーカーのほか三菱商事、三井物産、東京電力、岡山県、鳥取県なども開発に参加。試作車には、三菱自のEV「アイミーブ」などのように一つの電動モーターを使うのではなく、各車輪にモーターを組み込む方式を採用。アイミーブの2倍の航続距離300キロを目指す。モーター数が増えて高くなるコストの低減や、振動がモーターに伝わりやすいといった課題の克服が焦点という。
シムドライブは2013年を目標に、自動車メーカーや新規参入企業に技術を提供し、量販時にメーカーから技術使用料を得る計画。開発に参加した企業や団体などは、自社のEV開発や関連ビジネスでの活用法を探る。
シムドライブは、EV普及を目的に慶応大やベネッセコーポレーションなどが出資して昨年8月に設立。EVを研究する慶応大の清水浩教授が社長を務める。(小暮哲夫)