現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 文化
  4. 記事

空海が唐から持ち帰った?幻の「三教不斉論」写本を発見

2010年1月23日5時44分

印刷印刷用画面を開く

このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:空海が唐から持ち帰った書物などの一覧「御請来目録」に記された「三教不斉論」(中央)の文字=「弘法大師真蹟集成」(法蔵館)から空海が唐から持ち帰った書物などの一覧「御請来目録」に記された「三教不斉論」(中央)の文字=「弘法大師真蹟集成」(法蔵館)から

写真:「三教不斉論」の写本を確認した高野山大学密教文化研究所委託研究員の藤井淳さん=22日、大津市「三教不斉論」の写本を確認した高野山大学密教文化研究所委託研究員の藤井淳さん=22日、大津市

 弘法大師として知られる平安時代の僧、空海が唐から持ち帰りながら、実物が確認できず、幻の論文と考えられてきた「三教不斉論(さんぎょうふせいろん)」。その内容を写し伝えた江戸時代の写本を、高野山大学密教文化研究所委託研究員の藤井淳さん(33)が、東京都立図書館の諸橋文庫で見つけた。空海が持ち帰った論文の写しと考えられ、仏教史を考える上で重要な資料といえる。

 「三教不斉論」は、空海が唐から持ち帰った経巻や仏具などの一覧を記した「御請来目録(ごしょうらいもくろく)」に名が見られるが、内容は不明で、写本も存在しないと考えられていた。見つかった写本は縦26センチ、横16センチほどの和とじの冊子で、文末の来歴などから江戸時代の1861年、阿波国(現在の徳島県)千福寺の僧・良応が筆写したとみられる。

 今回、同論が儒教、道教、仏教の三教の優劣を論じ、仏教が最も優れていると説いた内容だったことが分かった。空海が持ち帰った書は密教関係などが多く、この論文のように他の教えとの比較論は珍しいという。

 空海は唐に渡る前、すでに儒教、道教、仏教の優劣を説いた「三教指帰(さんごうしいき)」を著しており、「発見された論文は、内容が空海の『三教指帰』に通じるものがある。自らの考え方に近い論文を持ち帰ったのだろう」と、藤井さんはみている。今回の発見は、25日に高野山大学密教文化研究所で開かれる研究会で発表される。(宮代栄一)

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内

朝日いつかは名人会ガイド

第5回公演の模様を収録したオーディオブック(音声のみ、有料)をダウンロード販売中です!
落語はもちろん、会場の爆笑を呼んだトークのコーナーを含む全編収録版と、柳家喬太郎「一日署長」だけの真打ち版、あわせて2種類です。詳しくはこちらのページをご覧ください。
オーディオブックの発売にあわせて、ダイジェスト版の動画も、インターネット上に流しています。オーディオブックと同様、こちらのページをご覧ください。