鳥取市の摩尼(まに)川で昨年10月に遺体が見つかり、体内から睡眠導入剤が検出された同市の電気工事業円山(まるやま)秀樹さん(当時57)の変死について捜査している鳥取県警は、詐欺容疑などで逮捕した同市の元スナック従業員の女(36)が円山さんを殺害した疑いが強まったとして、近く殺人容疑で逮捕する方針を固めた。
昨年4月には、女の知人で、鳥取県若桜町のトラック運転手矢部和実さん(当時47)の遺体が同県北栄町沖の日本海で見つかり、体内から睡眠導入剤が検出された。県警は矢部さんについても殺人容疑での立件を視野に捜査を進めており、女が経緯を知っているとみて事情を聴く。
県警によると、円山さんは昨年10月6日午前7時ごろ、車で自宅を出た後、行方不明になり、翌7日午後2時ごろ、自宅から約5キロ離れた摩尼川で遺体で見つかった。体内から睡眠導入剤の成分が検出され、死因は同川の水を飲んだことによる窒息だった。
捜査関係者や円山さんの家族によると、女と円山さんは当時、100万円超の家電製品代金の未払いでトラブルになっていた。円山さんは行方不明になった朝、この代金の回収に向かったという。
捜査関係者によると、円山さんから検出された睡眠導入剤の成分が、女が住むアパートの部屋から押収されたものと一致。円山さんの車のカーナビゲーションシステムに残っていた最終走行記録で、車は女の自宅近くに立ち寄った後、遺体発見現場近くで止まったことがわかったという。
さらに、女と同居し、ともに詐欺容疑で逮捕、起訴された元自動車セールスマンの男(46)が、円山さんが行方不明になる直前まで、円山さんと女と自分の3人で一緒にいたと県警に説明したという。