バンクーバー五輪のスピードスケート女子で5大会連続出場の岡崎朋美(38)=富士急=が22日、山梨県富士吉田市で行われた壮行会に出席した。五輪のたびに昇進してきた岡崎について、富士急行株式会社の堀内光一郎社長(49)はバンクーバーでメダルを獲得した場合、現在の次長代理待遇から2階級特進となる部長への昇進を明言。1998年長野五輪の500メートルで銅メダルを手にして以来2つ目のメダルで、「岡崎部長」が誕生する。
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5大会連続の五輪へ、岡崎は変わらぬ目標を口にした。壮行会前の会見で「高い目標がある。メダルを狙う争い。そこに参加できるように、スケーティングを直していきたい」と、メダルへの熱い思いを口にした。
五輪にピークを合わせる術(すべ)は知り尽くしている。富士急の長田照正総監督も「(500メートルで)38秒0が出れば、おのずと順位が出る。ここをターゲットにやってきた。青写真は鮮明にできている」と自信を口にした。
五輪2つ目のメダル獲得で「部長・岡崎朋美」が誕生するプランも持ち上がった。堀内社長は「私が社長を譲りますよ、というくらいすごい人。社長はまだとしても、2階級はある。メダルの功績をたたえるという意味で部長はある」と、昇進の可能性を明言した。
岡崎は現在、次長代理待遇で、社内ではフィランソロピー担当として社会貢献活動を手がける役職に就いている。メダルなら次長を通り越して部長だ。富士急関係者は「2階級昇進は異例。額は言えないが、給与面でもかなり上がる」と説明した。
富士急では、かつて所属した現日本スケート連盟・橋本聖子会長の功績をたたえたスケートリンク「セイコオーバル」と、岡崎の活躍を記念した「岡崎朋美メモリアル」を建設している。堀内社長は「これまで以上のものを建てたい。最強のコースターなんていうのもいい」と、昇進以外のご褒美プランも掲げた。
壮行会では「気合を入れようと思って」と、長野五輪以来の長さというショートカットを披露した。メダルに0・05秒届かず4位入賞だったトリノの500メートルを踏まえ「100分の5秒を取り戻す4年間だった。進化したスケートを出したい」と目を輝かせた。