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仕分け前に「世界一は困難」 次世代スパコンで文科省

2010年1月23日15時12分

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 昨年末の「事業仕分け」を受け、「計算速度世界一」の目標を断念した次世代スパコンの開発で文部科学省は22日、昨年7月に作成していた内部報告書を公表した。米国の開発状況の情報分析から、昨春の段階で「世界一奪取は困難」と分析。この直後、NECと日立製作所が撤退したにもかかわらず、あくまで「世界一」にこだわり、開発加速のために100億円単位の追加投資を提案していた。

 計画では、当初、富士通とNEC・日立の両グループのシステムを組み合わせる方式で設計が進み、2011年6月に毎秒5千兆回の計算速度を実現すれば、「世界一」になるはずだった。ところが、昨年4月の段階では、計画を評価する委員の大半が、意見集約で「計画が遅れている」と答え、「現行計画では世界一の奪取は困難」との結論を出していた。その約1カ月後にNECと日立が撤退を表明した。

 だが、110億円の追加投資をして開発を加速、富士通のシステムだけで2011年11月に毎秒1京(1兆の1万倍)回を達成できれば、「世界一」の実現は可能と判断。ただ、それでも確実とはいえず、さらに前倒しして製造を進めるため、100億円程度の追加経費が必要になるとの試算も出していた。(行方史郎)

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