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社説

中国GDP/持続可能な成長の実現を 

 中国の2009年の国内総生産(GDP)成長率が8・7%を記録し、政府目標だった8%を上回る高成長を達成した。

 金融危機の直撃を受けた日本や米欧が、軒並みマイナス成長を見込むなか、中国経済の力強さをあらためて見せつけた形だ。中国での新車販売台数は昨年、1364万台を数え、米国を抜いて初めて世界一になった。そのことも、成長を促す原動力の一つになったのは間違いない。

 中国社会科学院は今年の成長率を9・1%と予測しており、年内にも日本のGDPを追い抜く可能性が高い。世界における中国の存在感はますます大きくなる。

 とはいえ、中国が順調に成長を持続できるかどうか、懸念材料は少なくない。

 まず、この成長は政府による4兆元(約53兆円)に上る財政出動が牽引(けんいん)していることだ。小型乗用車への購入税軽減措置を今年いっぱい延長するなど、あらゆる手を打っているが、安定成長を促すためには、国内消費の拡大が欠かせない。だが、都市部との大きな格差が指摘される農村部では、小売売上高が伸び悩む。こうした格差を解消し、国民生活全体の底上げを実現することが課題になっている。

 もう一つは、不動産投資などでバブルを招く恐れが高まっていることだ。回復が遅れる日米欧への輸出は低迷し、開発への投資や不動産取引が中国の成長を促す大きな要因になっている。バブルを抑えながら、いかに成長を維持するか。中国政府は難しいかじ取りを迫られる。

 中国が持続的な成長を実現するには、成長を最優先する経済政策から、環境との調和や社会の安定を重視する政策への切り替えが、何よりも重要になってくる。

 エネルギーや資源を大量に使い、世界の工場として拡大する経済から、エネルギー効率を高め、地球温暖化など環境に配慮した産業構造へ。そうした方向転換は、中国に求められる責務でもある。

 そのためには、高度な技術や環境対策の蓄積がある日本との連携が欠かせない。技術がある日本と大市場を持つ中国は、経済力を競うライバルであるだけでなく、補い合うことによって、アジアや世界の繁栄を引っ張る大きな力になるはずだ。

 中国は世界貿易機関(WTO)に加盟した01年以降、成長をさらに加速させた。それに伴って深刻化する経済格差や環境汚染などを克服し、安定した社会を築いてこそ、経済成長も持続できるだろう。

(2010/01/22 09:50)

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