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社説

過疎法延長 ふるさと再生を本気で 1月22日(金)

 3月末で期限が切れる過疎法について、与野党が6年間延長することで合意した。

 超党派の議員立法で今国会に改正案を提出、成立する見通しだ。順調なら4月1日から施行となり、空白期間を生まずにすむ。

 民主党は、衆院選マニフェスト(政権公約)で過疎法に触れていなかった。法が失効したらどうなるのか−。過疎地域の市町村の多くが気をもんでいた。

 今回の与野党協議で、2016年3月末まで延長されることになった。関係者はほっとしていることだろう。しかし、その場しのぎの印象は否めない。

 過疎地域は人口が急速に減り、高齢化が進んでいる。集落によっては存続も危ぶまれている。

 鳩山政権は、政策の重要な柱に「地域主権」を掲げる。人々の暮らしをどう支えるか、しっかりと議論を重ね、将来の方向性を示すことが急務だ。

 過疎法の特徴は、手厚い財政支援にある。過疎債が発行でき、事業費の70%が地方交付税で戻ってくる。財政力の弱い市町村には頼みの綱である。

 使い道は、市町村道や上下水道などのインフラ整備に限られていた。改正案では対象を広げ▽認定こども園▽図書館▽太陽光発電など自然エネルギーを利用する施設−の整備を加える。

 さらに地域医療や生活交通の確保といったソフト事業にも使えるようにする。どの地域も似た課題を抱える。うまく活用して再生の道筋を探りたい。

 改正案は過疎自治体の指定要件も見直した。県内では5市町村が新たに指定され、4月1日時点で37市町村となる見込みだ。

 過疎法は1970年から10年ごと、4次にわたり議員立法で制定されてきた。40年間、過疎地域の支えになってきた。

 半面、市町村に借金頼みの財政運営を続けさせてきたのも事実だ。これまでの施策が地域の自立にどう結び付いたのか、検証することも大切になる。

 民主党は、地域主権改革に合わせて過疎対策の抜本見直しを行う方針でいる。地方が自由に使える「一括交付金」についての本格的な論議はこれからだ。

 地域のことは地域で、の原則を見すえる必要がある。霞が関の抵抗を抑え、国から地方へ、権限と財源を思い切って移せるかどうかがカギを握る。

 人々が地域で生き生きと暮らせ、国全体に活力が生まれるように取り組みを急ぎたい。

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