ノンホモ、低温殺菌の牛乳
ダル マッカニー
スーパーで売られている牛乳のほとんどが、紙パックで、殺菌温度が120度から130度の牛乳です。殺菌時間は、わずか2秒。
これが日本の牛乳の9割以上を占めています。
それに対し、低温殺菌牛乳は、63度から65度前後で30分ぐらいじっくりゆっくり、やんわりと殺菌します。
超高温殺菌をして、パックや瓶に充填するために、必要なのが、ホモジナイズという大小さまざまな脂肪球に圧力をかけ、均質化することなのです。
ホモジナイズしないと(ノンホモ)、牛乳の中の脂肪球が浮いてくっつきあい、かたまりを作るのです。
これは、生クリームと同じものです。
牛乳を沸かすと湯葉のような膜ができますが、あれは、タンパク質が熱によって固まったもの。
つまり、ノンホモ牛乳を超高温で殺菌するとたんぱく質が熱変成して機械にこびりつきます。牛乳を沸かした鍋を洗うとき、なかなか鍋肌に貼りついたタンパク質の膜が落ちませんよね。
機械の中をたった2秒前後で通過し、殺菌できてもそのあとの洗浄がとても大変なので、最初から脂肪球をくっつかないように処理するのです。
製造する側の効率化のためのホモジナイズともいえます。
牛乳を振るとバターができると言いますが、結構大変なので、生クリームでやると割合すぐにバターができます。
しかし、超高温殺菌のホモ牛乳では、このバター作りは、1日中振ってもできません。当然生クリームも浮いてきません。
牛乳であって牛乳でない。
工場
私が、自然放牧お牛乳を販売しているころ、お客様から驚きの声、喜びの声をたくさんいただきました。
「濃厚感があるのに、後味がさっぱりしている。」皆さんから。
「懐かしい味がする。」とご年配の方。
「これが牛乳なら、今まで飲んでいたものは、何なのだ?!」という青年。
「牛乳嫌いの子が、こんなにおいしそうに飲んでいる。」と、お母さん。
「この牛乳は、お腹が痛くならない。」と、たくさんの人たち。
「日本には、本物の牛乳がないと思っていた。」と外国の人。
でもね、これが本物の牛乳なんです。
牛乳の味だと思っていたのは、タンパク質の焦げ味。
たしかに、低温殺菌のノンホモ牛乳は、スーパーの安売り牛乳と比べたら、2〜3倍もします。
だって、殺菌時間から処理量を考えたら、酪農家の人たちが大切に飼っている牛のお乳だということを考えたら、それでも高いと言えるでしょうか。
水のように牛乳だけがぶがぶ飲んでも、そんなに背は伸びませんよ。骨粗しょう症は防げませんよ。
むしろ、脂肪とタンパク質の摂取過多で、大変なことになりますよ。
それよりも、良質の本物の牛乳を毎日コップ1杯まで、あるいは、1週間に1度ビタミンの豊富な野菜か果物と一緒に飲んで、他の食品をバランスよく摂る方が、健康で丈夫な体を維持できます。
健康な牛から搾った、美味しい低温殺菌のノンホモ牛乳を、少しずつ飲みましょう。と声を高くして言いたい小泉です。
だから、「四季のめぐみ」であり、「四季のめぐみ」から作られた乳製品がお勧めなのです。(小泉まき子)
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