職員による多額の着服が発覚した大分みらい信用金庫南支店=22日午後、別府市千代町
大分みらい信用金庫(別府市、原好信理事長)は22日、同市の南支店に勤務していた市内在住の男性職員(34)が昨年11月までの4年間にわたり、顧客の預金から4億円以上を流用、うち約5千万円を着服していたと発表した。同金庫は15日付で男を懲戒解雇した。刑事告訴する方針。
同金庫によると、元職員は南支店で渉外係などを担当していた2005年11月~09年2月、借金返済やサッカーくじ(toto)、パチンコ、宝くじなどに使う目的で、複数の顧客の預金口座から金を引き出し、穴埋めのために不正な入出金を繰り返した。09年11月に発覚した。流用額は計4億1500万円(被害者23人・2事業所)、着服額は計4900万円(同2人)に上る。着服分は同金庫が立て替え弁済したという。
「キャンペーン期間中なので定期預金をしてほしい」「現在の国債を解約して金利のいい国債に買い替えては」などと顧客に持ちかけ、預金を引き出すための書類を入手していた。事業をしている顧客から預かった売上金を口座に入金せず着服したケースもある。
元職員は鶴見支店勤務時の02年から、就業規則で禁じている「顧客からの借金」を繰り返し、累計27人から1億5600万円を借りていた。返済に困り、別の客の預金に手を付けるようになった。昨年11月、顧客から同金庫に「以前、職員に金を貸した」という話が入り、内部調査。不正が発覚した。解雇時は湯布院支店融資渉外係主任だった。
同金庫本店で会見した原理事長は「このような事態を招き、役員一同深く反省している。厳粛に受け止め、再発防止と信頼回復に努めたい」と謝罪した。
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