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きょうのコラム「時鐘」 2010年1月23日
米国の調査機関が今年注目すべき世界の指導者の3位に小沢一郎民主党幹事長を選んだ。えらく高い評価に本人も驚いているだろう
小沢氏が尊敬する政治家に同じ岩手出身で大正期の首相・原敬がいる。「世界の公人中、君のような現実主義に徹底した者はいない」と評され、後輩への影響が少なくないようだ。「近代日本の政治家」(岡義武著)によるとこんな案配だ まず、敵と味方を峻別する人だった。「個人としては寡欲清廉だったが、党首としては大胆に利権に近づき」「利権は取るためではなく与えるため」と言われた。時に碁も楽しんだが「三度の飯より政治が好き」 金のかからない政治を求められると「金を欲しがらない社会をこしらえてこい。そしたら金のかからぬ政治をしてみせる」とうそぶいた。「過去もなく将来もない。ただ現在あるのみ」で今日主義とも言われた 小沢氏と歴史に残る宰相との比較が妥当かどうか、世界3位に値するのか異論もあろう。が、寡欲で清廉か、真の指導者かを判断するのは検察庁でも外国機関でもなく、有権者であることをゆめゆめ忘れないでおきたい。 |