佐賀新聞の情報コミュニティサイト「ひびの」

佐賀新聞の購読申し込み

renewal_buhinai_01[1].gif
renewal_buhinai_01[1].gif

この時間のニュース

この時間のスポーツニュース

動画チャンネル

佐賀新聞テレビ夕刊

 22日(金)の放送予定

□ウイークリー特集

記者解説「2010サガンの布陣」

 

おすすめ情報

いえさが

ieさが(いえさが)オープン!
みんなでワイワイ、ネットで家づくり。新しいスタイルのウェブ住宅展示場です。

ブライダルさが

結婚情報サイト「ブライダルさが」
マイルーム機能、ドレス検索など、お二人の素敵なブライダルを演出します。

さが就職ナビ

佐賀で働く方へ「さが就職ナビ」
「新卒」も「中途」も、佐賀の優良企業の採用情報が集まっています。

うごメモ企画

汗かきアニメ by 有田工
任天堂DSiのアニメーション制作機能「うごくメモ帳」で広告アニメを作りました。

子育て応援の店事業

 子育て応援の店事業
登録店で会員証を提示すると、子育てにやさしいサービスが受けられます。

論説

トップ |最近の論説
政教分離判決 地方の神社にも影響(1月22日付)

 市有地を神社に無償で使用させていることは憲法違反に当たる。最高裁大法廷は、北海道砂川市の空知太(そらちぶと)神社をめぐる住民訴訟で「市が特定の宗教団体に便益を提供していると評価されてもやむを得ない」と厳しい違憲判断を下した。


 こうした公有地上の宗教施設は全国に数千件あるといわれ、地方の小さな神社の在り方にも影響を及ぼしそうだ。判決は撤去や土地明け渡しを求めているのではなく、違憲状態解消のためには「無償譲渡」「有償譲渡」「貸し付け」などもある、と合理的な対処法を示した。


 最高裁の政教分離判決はこれまでいくつかある。


 三重県津市が市体育館建設の地鎮祭で公費を支出したことが問われた訴訟では、最高裁は1977年に違憲ではないとし、「目的・効果基準」を打ち出した。「目的が宗教的意義を持ち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進または圧迫、干渉などになるような行為」は違憲とするとの規定を打ち出した。


 その後、愛媛県知事が靖国神社に毎年玉ぐし料を公金から支出していたことを問う訴訟では、最高裁は97年に憲法違反との判決を出した。判決以降、靖国神社への公金出費は行われなくなった。


 今回は愛媛玉ぐし料判決以来2例目の違憲判決で、津市の「目的・効果基準」をさらに推し進めた判決といえよう。「目的・効果基準」はあいまいで分かりにくいとの批判もあった。もっと厳格に運用しようとの狙いがある。


 この神社は1892年ごろ、地域住民がほこらを建てたのが始まりだ。戦後の1970年、砂川市は現在地に町内会館を建て、その中にほこらを移した。鳥居を建てて、会館入り口に「神社」と明記した。移転した時、現在地は民有地だったが、その後、市に寄付された。


 初詣でには200~300人の参拝者があり、地域に根付いた施設といえる。宗教団体ではなく地域住民であっても、市が市有地を無償で神社に使用させることは憲法の政教分離原則に違反することを判決は示した。


 「地域の親睦(しんぼく)の場だから」「宗教性は薄い」などの理由は通らなくなった。自治体や住民も、今後は政教分離の原則に触れる疑いのある公的施設や公金支出には、十分注意を払わねばならない。


 ただ、政教分離の原則については、さまざまな立場がある。小さな神社や、ふだんは公民館として使われている施設は、住民の生活と切り離せない。都市部と地方では神道や仏教に対する感覚の違いもみられる。また神社の鎮守の森は、緑地保存の観点からも貴重である。


 最高裁は「違憲状態を解消するためには、撤去などではなく、合理的、現実的手段があるはず」と審理差し戻しの理由を説明した。これは神社の氏子が有する「信教の自由」とのバランスを考慮したものだろう。


 同時に争われた砂川市の富平神社の訴訟では、最高裁は市が地元住民側に市有地を無償譲渡したことで合憲と判断した。国や自治体は今回の判決を機に、公的支出や公金支出の状況を洗い直すべきだ。われわれも宗教について、どうあるべきかを考えるいい機会である。(園田 寛)

【最近の論説】
  有田焼400年祭 将来を見据えた戦略を(1月23日付)
  パーキングパーミット 思いやりの気持ちで(1月21日付)
  日航破たん 迅速で着実な再生を(1月20日付)
  与野党激突国会 政治とカネに終止符を(1月19日付)
  阪神大震災から15年 最も大切なのは「自助」(1月17日付)
  無らい県運動 感染症隔離を教訓に(1月16日付)
  小沢氏側強制捜査 4億円の徹底解明を(1月15日付)
  国際生物多様性年 重要性を理解する年に(1月14日付)
  新核軍縮条約 米ロは指導力を示せ(1月13日付)
  国民読書年 読めば世界が広がる(1月12日付)