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菅家さん「謝ってください」 元検事は応じず 再審公判(1/2ページ)

2010年1月23日1時19分

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写真:記者会見で携帯端末で自身の報道を見る菅家利和さん(右)=22日午後4時34分、栃木県庁、水野義則撮影記者会見で携帯端末で自身の報道を見る菅家利和さん(右)=22日午後4時34分、栃木県庁、水野義則撮影

写真:再審第5回公判後の記者会見で、硬い表情を見せる菅家利和さん=22日午後5時4分、栃木県庁、水野義則撮影再審第5回公判後の記者会見で、硬い表情を見せる菅家利和さん=22日午後5時4分、栃木県庁、水野義則撮影

写真:菅家さんは証言台の森川元検事をまっすぐ見すえ、「謝ってください」と問いただした=絵・いけだまなぶ菅家さんは証言台の森川元検事をまっすぐ見すえ、「謝ってください」と問いただした=絵・いけだまなぶ

 栃木県足利市で1990年に当時4歳の女児が殺害された「足利事件」の再審第5回公判は22日午後、菅家利和さん(63)が、証人として出廷した森川大司(だいじ)・元検事(62)に厳しい口調で謝罪を求めた。しかし、森川元検事は最後まで謝罪せず、当時の取り調べが適切だったと繰り返した。「どうして犯人にされたのか」。菅家さんの疑問はこの日も解けなかった。

 宇都宮地裁(佐藤正信裁判長)で行われた証人尋問では菅家さんと森川元検事が17年ぶりに対面。冒頭、菅家さんが問いかけた。

 「17年半もの間、無実の罪で捕まっていました。このことをどう思いますか」

 これに対し、森川元検事は「全証拠を検討した結果、菅家さんが犯人に間違いないと判断した。新たなDNA型鑑定で犯人でないことが判明し、非常に深刻に思っている」と述べた。

 証人尋問の最後にも、菅家さんは質問のために立ち上がり、強い口調で謝罪を求め、頭を下げた。

 「私と森川さんの立場を逆に考えて下さい。謝って下さい。お願いします」

 だが、森川元検事はうつむき、「さきほど申し上げた通りです」と小声で答えた。

 森川元検事は弁護団の質問にも、「否認しても有罪という心証を持っていた」「自白しろと強要したことはない。(菅家さんは)質問に対して供述していた」「犯人だから供述できると思えるものがあった」などと述べ、取り調べに問題はなかったと強調した。

 「自白は虚偽だった。検察は絶対的な間違いを犯したのでは」との追及にも「私はわかりません」。捜査の反省点については「最高検で検証作業をしている。現段階で個人的な感想を言うのは適切ではない」と答えるにとどめた。

 公判後、菅家さんは「まったく反省の気持ちが伝わらなかった。テープの中で『人間性がない』と言った彼のほうが人間性がないと言いたい」と語気を強めた。

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