直は柏木から預かった婚姻届に署名する。誰にも理解されない結婚だった。「赤の月」のCDが売れ始めたある日、直は健に会いにいく。ピアノを 弾く気にならないか、と尋ねる直に、ピアノの記憶はない、とつれない健。ピアノに対する気持ちが変わったら、連絡してほしい、と帰るとき、直 は柏木と入籍したことを健に告げる。これで本当に、堤浩志は死んだ──と、健は愕然とする。暗い衝動に突き動かされた健は、仁美と強引に関係 を結ぶ。直と柏木の結婚が周囲に衝撃をもたらす。柏木とは深い馴染みのミツコは激しく動揺して......。
そんな矢先、柏木が突然、社長を解任される。