退院した健が、直のマンションに訪ねてくる。柏木に呼ばれたというが、何も聞いていない直は当惑する。直はゼノのCDを健に聴かせる。覚えて いない、と答える健だが、健の指が密かに、ピアノを弾くように動いているのを直は見逃さなかった。そこへ、柏木が帰ってくる。健の記憶を呼び 戻すために、健をピアノの前に坐らせる柏木。ピアノには一度も触ったことがない、と健は困惑する。健に証人を頼み、柏木は記入済みの婚姻届を 直に渡す。少し考えさせてほしい、と答える直。二人の幸せを願い、健は部屋を出る。その夜、覚悟を決めた直は...。