レコーディングの日、健は直への思いをこめて、「赤の月」を演奏する。完璧な演奏に直の胸はふるえる。健は、命がけで直を愛しているとさらに 想いを訴えるが、直の柏木と生きる決心は変わらない。その夜、直は柏木と一夜を過ごす。直と柏木の関係に嫉妬する人物が、健の他にもう一人い た。博人が健に会いにくる。直が柏木の言いなりになるのは、多恵の治療費を柏木に借りているからだ、ときりだす博人。どうして自分が浩志だと 直に言わないのか、ともどかしそうに健に訴える。路地の階段で、健と柏木が鉢合わせする。金で直を奪ったのか、と柏木に軽蔑のまなざしを向け る健。柏木の挑発的な態度に逆上した健は、思わず柏木に殴りかかるが......。