直に裏切られた健は柏木と契約。直のマンションを出て、林田家に戻る。直の会社は柏木に買収されて、健が所属するクラシックの子会社として再生する。そして、柏木の企みによって、直がその子会社の社長となり、健をピアニストとして成功させるよう命じられる。
直は、ビジネスと割り切って健と接する。心配そうな江利子に、健とのことは一時的な感情だった、と平然と告げる直。愛していると錯覚していた──健も冷ややかな視線を直に向ける。なぜ自分はこちらの世界に戻されたのか。愛を失った健は、どこにも居場所がなかった。真実を言えば楽になるが、自分で自分を殺すことは...。