直と結ばれた健は、林田家を出ようとする。母を捨てる気なのか──と、泣いてすがりつく江利子をふり
きって、健は直のマンションで暮らし始める。健を浩志と同一視する直は、健に浩志の服を着せたり、浩志の好きなものを食卓に並べたりする。健のピアノを聞く度に浩志を思い出す直を見て、直を幸せにするには林田健として直に愛されるしかない...と健はピアノをやめる決意をする。
 ミツコの店で、健は一人、最後のピアノ演奏をする。その調べを偶然、耳にした柏木は衝撃を受け、自分のレコード会社からデビューしないかと健を誘うが...。