直のためだけに生きる博人に、嫉妬のあまり実花が怪我をさせる。博人の手は、ピアニストとして再起できるかどうか、見通しは暗い。
絶望した博人は、見舞いに来た直に自分がゼノでないことを詫び、頭を下げる。ゼノはもういない、ゼノは浩志だったから─博人の言葉に、呆然と する直。さらに、博人が打ち明ける事故の日の真実に、直の心は砕け散る。ゼノの楽譜を優先したと告白する博人は、心から直に謝罪するが、もう取り返しはつかない。
そんな直を健は慰めにやってくる。健は、これまで言えなかった浩志の想いを直に必死に伝えようとする。そして、新しい夢を探してほしいと願うが...。