高熱で倒れた直が、うわ言で本物のゼノを捜し求める。直の手を強く握る健。愛しさがこみあげて、衝動的に直に唇を寄せる。
そのとき、直を心配した博人が直のマンションにやってくる。残酷な現実――
直は博人に任せるのが一番だ、健の胸に悲しみがあふれる。
翌日、回復した直が健を訪ねる。昨日の失態を謝る健の手を、突然握りしめる直は、昨日浩志の手のように感じた、と寂しそうに語る。浩志を今でも愛している、と直は健に告げ、亡くなってから提出した婚姻届の話をする。健は驚くが、浩志はきっと近くで見守っている、と直を励ます。
一方、練習に励む博人が、ゼノになりきれない絶望の叫び声をあげて...。