ピアノの練習で遅くなった博人は、そのまま直のマンションに泊まる。翌朝、直のマンションを訪ねた健は、玄関に博人の靴があるのに気がつき、衝撃を受ける。浩志の心を封印して、健として生きていく──健は自分に言い聞かせるが...。
柏木は、タイミングよく名乗り出た博人を本当にゼノなのか、と疑っていた。ミツコは、事故当日に浩志が店に忘れていった時計を直に渡す。その時計をはめると目に涙を浮かべる直。健は、叫びだしたいような気持を必死に堪えた。
ミツコのバーで、ゼノのピアノ演奏が再度撮影される。本番直前の練習で苦悩する博人に、健がゼノの音に近づけるためのアドバイスをする。博人は憮然とするが、その的確な指摘に、唖然とする。