ゼノの正体が浩志であることは博人しか知らなかった。直のレコード会社の危機を助けたい健は、ゼノは自分だと直に真実を告げる。半信半疑の直は、「青の月」を弾いて証明してほしいと健に迫る。怪我が治ったらいくらでも証明できると訴える健の真剣な眼差しに、直の心は揺さぶられる。そのとき、ゼノは自分だ、と博人が告白する。
ゼノの楽譜を取り出した博人は、浩志と二人で作りあげたゼノだから、今まで黙っていた、と。
嘘だ、と健が叫ぶが、直が信じたのは、博人の言葉だった。直は、博人がゼノであったことを会社のスタッフに報告する。
浩志が残した夢を再始動することができ、晴れやかな直に妹の実花は嫉妬の眼差しを向ける。傷心の健に、家族との偽りの生活が重くのしかかる。「この体で生き返ったのは地獄だ」、健の中で浩志の魂が悲鳴をあげる。