最愛の浩志を亡くした直を見知らぬ青年・健が訪ねて来る。浩志の名を語る健に、直は一瞬耳を疑うが、健は必死に何かを訴えようとして、意識を失ってしまう。直は、健がクリスマスに事故で入院したことを知る。浩志の知り合いなのだろうか...気になる直は健の母・江利子に、彼がピアノを弾くかどうか尋ねる。一命をとりとめた健だが、自分の体に浩志の魂が宿っていることを知られたら、命が消える定めなのを知り、絶望する。記憶喪失のふりをして、健は退院するが...。直に想いを寄せる博人は、直のレコード会社を支援させて欲しいと申し出る。が、直は謎のピアニスト・ゼノを見つけてみせると断る。そんなとき、健は新聞でゼノの自殺説を知り、驚く。それは、柏木の企みだった。
博人はなぜ直にゼノの真実を話さないのか─焦燥感に駆られた健は、再び直のもとを訪れ...。