事故で意識不明だった健が、奇蹟的に目を覚ます。「違う...俺は健じゃない。俺は...浩志だ」と呟く健の身体には、亡くなった浩志の魂が宿っていたのだ。一時的な意識の混濁だ、と医師は判断するが...。
直はピアニスト・ゼノを探し続けるが、手がかりは見つからない。レコード会社は窮地に陥り、追いつめられた直は、替え玉アーティストのデビューを画策する。直を好きな博人は、「ゼノがもういなかったらどうする?」と、真実を話そうとする。が、ゼノを生きる支えにする直が取り乱すのを見て、何も言えなくなる。その夜突然、健が直の前に現れる。直は浩志の記憶を持つ見知らぬ青年に驚く......。