浩志を喪った直が、絶望のあまりその後を追おうとしたとき、「青の月」の優しい旋律が聴こえてくる。CDがひとりでに回り、浩志の遺影がパタリと倒れる。浩志のいる気配を感じて、その名を呼ぶ直。浩志への愛を貫くために、直はゼノを探し出して、浩志の夢を叶える決心をする。
そんな矢先、直のレコード会社で、アーティストが次々と引き抜かれ、倒産の危機に陥る。直が辞めたレコード会社の社長・柏木の企みだった。その頃、浩志と同じ日に事故に遭い、同じ病院に運ばれた意識不明の青年・健に変化が。左手の薬指がピクリと動くと、その口が「ナオ...ナオ」と声にならないかすれた声を出した。