2010/01/23
日刊ライスレポート【100123】良心こそ最高のコンプライアンス
おはようございます。三浦康志です。 この季節に、毎年注目しているのが キットカットの「サクラ咲く」キャンペーンです。 CMはここで見られます。 http://www.breaktown.com/10sakura/tvcm 去年はおじいちゃんでしたが 今年はお母さんです。 いつもご愛読いただきありがとうございます。 まぐまぐさん、いつも配信いただきありがとうございます。 感謝 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 日刊ライスレポート 2288 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【良心こそ最高のコンプライアンス】 ある郵便局で行われた伝説のサービスは、 コンプライアンスという概念を経営にいかに活かすかについて、 大きな示唆を与えています。 コンプライアンスとは、法律や倫理概念を遵守することです。 その伝説のサービスとは以下の様です。 「父親を幼いときに亡くした、小学校1年生の少女は、 ランドセルを買ってもらえませんでした。 毎日懸命に働く母親に、ランドセルが欲しいとも言えませんでした。 しかし、通学路にあるお店の店頭に飾ってある 赤いランドセルを見るたびにその思いは強くなるばかりでした。 そんなある日、少女は素晴らしい案を思いつきます。 天国にいる父親に、買ってくれるよう頼んでみるという案です。 そのことを父親にお願いする文章を葉書にしたため、 宛先は「天国」として投函したのです。 その葉書が、宛先不明扱いで局止めされました。 この葉書を見た仕分け作業員は扱いに悩みました。 仲間に相談すると、有志でお金を出し合って、 この子にランドセルをプレゼントしよう という素晴らしい提案がなされ、実践されました。 その有志の一人が手紙を添えました。 父親に成りすまして。 『少し遅れてごめんね』と。 ランドセルが届いた少女は感激し、大喜びしました。 数年後、その事実をもとに書いた作文が、賞を受賞したため、 この伝説のサービスが、公のものとなったのです。」 この郵便局員の方々のこの行為はコンプライアンスという観点で どのように捉えたらよいでしょうか。 まず、宛先不明の郵便は差出人に戻すのが重要な決まりです。 郵便関連法に書かれていると思います。 でもそれをしたら、父親は天国に居ると信じているこの少女の想いを ぶち壊すことになります。 そんな残酷なことはできないという判断は正しいでしょうか、 間違っているでしょうか。 そして、彼らは、葉書の内容を読んでいます。 これは、個人情報保護法に抵触しないでしょうか。 もし、個人情報保護法が施行される前でも、 郵便局員の倫理規定によって、厳しく禁止されていると思います。 しかし、文面を読んだからこそ、 このような伝説のサービスが実践されたのです。 コンプライアンスの包含する「倫理」という概念の中に 「良心」というものが含まれるのです。 そして、それは時と場合によって、 法律を超える場合があると理解してよいのではないでしょうか。 この場合法律どおりに処理していれば、失望という害が少女に及びます。 この少女が作文を書いた時には、 本当のことを知るまでに成長していたのかも知れません。 本当は父親からのプレゼントではなかったことを知っても、 失望はしなかったと思います。 逆に、より大きな感動に包まれたと思います。 作文が高く評価されたことがそれを表していると思います。 〔最後まで読んでいただきありがとうございます。〕