トップエッセイ(リスト)第126回:「カーグラフィック TV」を遥かに超える? ドイツのトンデモ番組を発見! (10.01.23)
エッセイ

マッキナ、アラモーダ!
イタリアで「地デジ」出始めの頃の量販店。2008年3月撮影。
ちなみにシエナでは景観上、パラボラアンテナは茶色と決められている。
 まだまだ少ないチャンネル
近年イタリア全国にチェーン展開している大手量販店に行ってみると、その店の場合、選択肢は「LG」「サムソン」「HP」の3ブランドだけ。イタリアでモニターは寡占化が進んでいる。

そうした中、ちょうど22インチワイド画面のLG製モニターが、233ユーロで特売されていた。円にして約3万円である。おっ、この商品は「TVチューナーも内蔵」という。前述したように、イタリアでの地デジ化完了は2012年だが、「地デジ完全移行=アナログ停波」であって、実は地デジ放送自体はすでに開始されている。これは良い。我が家初の地デジ対応ということで、ボクはそのモニターを買って帰った。

帰りのクルマでカーオーディオではプッチーニをかけながら、口では「地デジでね、テレビがね、パッと変わるゥ〜」という、北島三郎による日本の地デジ振興ソングを歌っていた。家に帰り、インフルエンザ予防消毒液で手を洗うのもそこそこに、箱を開けてモニターを出す。そしてアンテナ線を引っ張ってきて繋げる。電源を入れると、モニターは勝手にオートチューニング機能で、一帯で受信できる80のチャンネルを拾い上げた。

ところで基本的にイタリアのテレビアンテナは、日本でいうところのUHF用に似たものだ。以前聞いた説明によると、アンテナをいじらず受信できる地域と、若干の角度調整を要する地域があることになっているが、幸いウチは前者だった。いいぞいいぞ。

ところがどっこい、80チャンネルのうちタダで受信できるのは25チャンネルで、あとは有料だった。さらに見られる局もまだ限られている。楽しみにしていた外国局は英国「BBC」のみで、フランスのテレビ局は我が地域ではまだ放映していない。それどころかイタリア公営放送「RAI」も、ボクの州ではまだ映らない。ボクにとってありがたかったのは、デジタル番組表で「TAKESHI’S CASTLE(風雲! たけし城の海外版)」の放映日がわかるようになったことくらいである。
そんなわけで、イタリアの地デジ移行は、少なくともボクの住むトスカーナでは急ぐことはなかったということだ。パソコンのモニターが新しくなったのはいいが、新年早々ちょっとトホホである。



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大矢アキオ
コラムニスト。国立音楽大学卒。二玄社SUPER CG編集記者を経て、96年からイタリア 在住。現在、雑誌Webのほか、ラジオ・テレビでも活躍中。とくにNHK『ラジオ深夜 便』における、0時過ぎの公共放送に相応しくない賑やかな語り口は、ここ数年ヘ ビーリスナーの間で話題となっている。主な著書に『Hotするイタリア』(二玄社)、 『イタリア式クルマ生活術』、訳書に『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(いずれも光人社)がある。



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