2010-01-21
■[裁判制度]遺体写真から目そらし涙、女性裁判員を解任

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100120-00001029-yom-soci
解剖医の証人尋問では、頭皮を切り取って頭蓋(ずがい)骨が陥没した様子を写した写真などが、モニターに表示された。女性裁判員は写真が示された際、画面から何度も目をそらしたほか、涙をぬぐうようなしぐさもした。
解剖には、検察庁にいた当時、何度も立ち会ったことがありますが、一般的な手順として、頭皮を剥ぎ頭蓋骨を切り取り脳を取り出し切り刻んで内部を確認する(病変等がないかどうか)、といったことは必ずやるもので、何度見ても慣れることはできませんでした。平和で平穏な日常生活を送っている人が、いきなり、あのような光景を目の当たりにすると、ショックでPTSDになったりする人も出かねないでしょう。
検察庁にとっては、裁判員など、検察庁に都合良くコントロールするべき使い捨ての道具程度にしか考えていないのかもしれませんが、上記の記事にあるような写真をでかでかとモニターに映し出さなければ本当に立証ができなかったのか、疑問を感じます。やはり、裁判員に配慮した立証ということを考えるべきでしょう。
■[話題]検察とリーク

小沢問題について、検察庁からのリークが問題になっていますが、ちょっとコメントしておきたいと思います。なお、いかに述べることは、私が直接見たり聞いたりしたことだけでなく、人づてに聞いたことなど渾然一体となった知識、経験に、そこから引き出せる推定も含めています。
東京地検の場合、特捜部を含め、マスコミに対応できるのは副部長以上ということになっていますが、マスコミ側は、特に大きな事件ではすさまじい取材攻勢をかけますから、副部長よりも下の検事に接触を図ることもあります。それが発覚すれば、検察庁から出入り禁止処分を受けたりしますが、平検事側にも、マスコミと接触することで相互に情報を交換したい、自分がやっていることを認めてもらいたい、平検事なりに世論を有利に誘導したい、といった思惑から、情報をリークするということも、絶対にないとは言い切れません。
副部長以上(ここでは地検だけでなく高検、最高検、法務省を含みます)についても、上記のような思惑で動くということは、やはり絶対にないとは言い切れません。地位が上がるにつれて、単純な思惑ではなく、世論を有利に誘導する、自分たちに追い風が吹くようにするといった思惑で動きやすくなるということも言えるでしょう。
見逃せないのは、高検、最高検、法務省あたりから情報が抜ける場合があるということです。かつての売春汚職の際に、特捜部から上にあげた情報がY売新聞に次々と抜けるということで、リーク元をあぶり出すためガセネタが流された結果、それが紙面に出てしまい、法務省内のリーク元(特捜畑で著名な人物)があぶりだされた、というのは有名な話ですが、従前からのマスコミ関係者との深いつながりから、高検、最高検、法務省あたりから情報が抜けて行く、ということもあり得ます。その場合、必ずしも世論を有利に、といった思惑だけでなく、単に個人的なつながりでサービスするとか、場合によっては特捜部の捜査方針に批判的な人物が、あえて情報を流している(正しいものではなくそうではないものを含め)ということもないわけではありません。
弁護士に転じた後ですが、あるマスコミ関係者と話していて、その人が、検察庁内部の関係者しか持っていないはずの資料を、分厚いファイルとして持っていて、こういうものまで入手しているんだなと思ったことがありますが、検察庁内の誰かが流さないとそういうものがそういう形で存在するはずがありませんから、「リークなどあり得ない」という公式見解、建前論が、いかに空しいものかがわかるでしょう。
■[裁判制度]昨日の裁判員裁判(横浜地裁・3日目)

【裁判員裁判】タクシー強盗致傷で懲役10年など求刑/横浜地検
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1001200053/
論告求刑では、「凶器などを事前準備した計画的犯行で、3被告の犯行は危険で巧妙」と指摘。当時は未成年で被害弁償をしている点を考慮し、21歳の男のみは懲役9年の求刑とした。
昨日は、3名のうち残り1名の被告人質問、検察官請求証拠中の一部の取調べ、弁護人請求証拠(情状関係)の取調べ、被告人質問(情状関係)、論告、弁論が行われて結審しました。今日の午後、判決宣告の予定です。
弁論で、私は、モニターに予め準備した主張したいポイントを映し出しながら、それをただ棒読みすることは避け、できるだけメリハリをつけて述べるようにしましたが、そういった、一種のプレゼンテーション的なやり方に慣れ親しんできてはいないので、なかなか難しいものということを改めて感じました。
求刑は、懲役7年から8年程度かと予想していましたが、2名について10年、1名について9年で、予想より重く、裁判員裁判ということで、何らかの考慮がはたらいて求刑を重めに設定しているのかもしれない、という気もしましたが、はたしてどうなのでしょうか。
>「リークなどあり得ない」という公式見解、建前論が、いかに空しいものかがわかるでしょう。
官僚の「無謬幻想」と似てますね。「密約はない」とずっと言い続けてきた外務省も似たようなものですね。
こういう空虚な建前論を振りかざして事足れりと考える人間や組織は、このネット社会ではもう生きていけないのではないでしょうか。