「ベッキーは必要ない」冬季五輪・タレントキャスターに冷めた声

　カナダ・バンクーバーで、2月12日〜28日に行われる第21回冬季オリンピック。開催までいよいよあと1カ月を切り、選手たちも現地入りを始めている。そんな中、各テレビ局が、五輪特番のキャスター陣を発表した。

◆日本テレビ系

メインキャスターを務めるのは、トリノ女子五輪フィギュア金メダリストの荒川静香。さらにスペシャルキャスターとして、嵐の櫻井翔。同局の五輪中継テーマソングも嵐。

◆フジテレビ系

タレントは起用せず、局アナの取材力で直球勝負するという作戦に打って出る。『すぽると！』キャスターを務める平井理央を中心に、遠藤玲子や大島由香里ら5名のアナウンサーが現地入りの予定。

◆テレビ東京系

なぜか、V6の井ノ原快彦がスポーツキャスターに初挑戦。ベテランの貫録たっぷりの大橋未歩アナとコンビを組む。

　ちなみにテレビ朝日系とTBS系は未発表。フジテレビがタレントを起用しないとは意外だが、その一方で、NHKがタレントを起用するとしてネット上で話題になっている。そのタレントとは、ポジティブシンキングがお茶の間で人気のベッキーだ。

　ベッキーが出演するのは、大会期間中、毎日主に18時から20時台に放送予定の『バンクーバーオリンピック〜ベストセレクション』。時差の関係で、実際に競技が行われる時間帯は深夜〜昼間に及ぶことが多いが、各競技の名場面をベッキーが伝えるという主旨の番組である。もちろん、現地キャスターには、『ニュース7』の武田真一アナ、米国総局勤務中の有働由美子アナなどベテラン勢を投入しているのだが、"タレントキャスターの起用"というNHKらしからぬ決断に、インターネット上の掲示板サイトやブログでは反発と落胆の声が相次いでいる。

・NHKもタレントキャスター起用かよ 。NHKだけは芸能人を使わないって信じてたのに......

・タレントじゃなくて引退した選手を出せばいいよ

・ベッキーって別にウィンタースポーツとか明るくないだろ。もっとその道に通ずる人を使えばいいのに

・NHKって最近民放っぽくなってきたな

　ベッキーは現在、バラエティーのレギュラー番組を7本（!!）も抱える超売れっ子。NHKとの付き合いも深く、『見える歴史』（NHK教育、毎週木曜）で津川雅彦と共に声の出演をしているほか、09年までは『きよしとこの夜』にレギュラー出演、06年の『第57回NHK紅白歌合戦』出演や、『家族で選ぶにっぽんの歌』で司会を務めた経験もある。さらにスゴイことに、07年には初冠番組『ベッキーズスクール』も任されていた。

　昨年10月には、「テレビタレントイメージ調査」で好感度ナンバーワンにも輝いたベッキー（※参照記事）。向かうところ敵ナシ、といった勢いであるが、今回の五輪キャスターは遠慮した方がよかったのでは、という声も聞こえる。

「ベッキーがウインタースポーツに精通しているという話なんて、聞いたことがない。事前にどれだけきちんと勉強しているか分かりませんが、レギュラー7本を抱える多忙なタレントですから......。実は08年に、サッカーの欧州選手権ユーロ2008をTBS系で放送した際、totoのCMキャラクターをしていた関係で、ベッキーがスタジオゲストとして出演していたんです。まったくサッカーの知識はなかった様子で、選手のプレーに大袈裟に驚いてみたりするのですが、いちサッカーファンとしては不快でした。五輪でも、『感動しました』『スゴい』とか一般視聴者と同じ感想を述べるに過ぎないんじゃないですか」（スポーツ紙記者）

　そもそも、タレントをスポーツ番組に参加させることで、視聴率の上昇や番組の人気につながるという考え自体が安直である。スタジオではしゃぐだけのタレントならば必要ないし、いくら詳しくても織田裕二のような絶叫系のタレントも、純粋に競技を観戦したい視聴者にとっては困りものだ。テレビ局の勝手なお祭り騒ぎこそが、視聴率低下を招く一番の要因なのかもしれない。


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