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2010/01/23

味付け椎茸のほろほろシューマイ

Dsc_5978

ひと手間かければ旨さ倍増
味付け椎茸のほろほろシューマイ

椎茸シューマイのレシピ/シューマイ70個分
シューマイの皮70枚、豚肉500g、豚の脂身100g、タマネギ大1個、太ネギ一本、乾燥帆立貝柱35g、乾燥海老35g、乾しシイタケ50g、好みでタケノコ水煮少々

おまいらが食っているのはシューマイではない! と、のっけから挑戦的にはじめてみよう。というのも、実はシューマイというのは結構デリケートな食い物で、作ってすぐ蒸してすぐ食べると、ものすごくおいしいのだ。高級な点心レストランでは出来たてのシューマイが食えるが、アツアツで、食材の香りがプーンと漂って、そらもう、タマラナイね。海老のプリッとした感触とかもタマラナイ。小さな蒸篭に三つくらい乗っかってて、ワゴンで廻ってくる湯気に包まれた白い物体を品定めして次々食らうのは至福の喜びというものである。




日本では崎陽軒の駅弁でシューマイが広まったので、蒸して醒めたのを買ってきて食うもんだと思ってるフシもあるし、肉屋でも蒸したのを売っている。常識的に考えれば食う時に蒸したほうがおいしいに決まってるんだが、衛生上の問題がある。そもそも挽肉作る段階で雑菌混入、タマネギとか他の素材を混ぜる段階でまたまた雑菌混入と、いろんな物体のミックスであるシューマイゆえ、作ったらすぐ高温殺菌したいのも道理だ。雑菌の培地じゃないんだから。じゃあ、一般家庭では点心レストランの、あの香り高いシューマイは無理なのかというと、自分で作ればいいじゃん、という結論になる。ストレスが溜まると100個くらいギョーザを作りまくる美人をおいらは知っているが、シューマイはギョーザより作るの簡単だ。だって閉じてないもの。

おいらの作るシューマイは皮の端がヒラヒラしているのが特徴だ。売ってるヤツは端がペタッと餡に貼り付いている。これにも理由があって、蒸したシューマイは醒めるにつれて水分が失われて縮んでしまう。ヒラヒラさせとくと、ヒラヒラも水分を失くして固くカリカリになってしまうのだ。そうなると食感が悪い。それで肉屋のシューマイではヒラヒラをヒラヒラさせないように処理している、というわけ。ここでは「作ってすぐ食う」のがコンセプトなのでヒラヒラの微妙な食感も楽しみたい。見てくれもその方が綺麗だ。 まあ、作りたてのシューマイの旨さが醒めたシューマイとどれくらい違うのかというと、小泉首相が訪中した折に「醒めたシューマイ」と揶揄されたエピソードからもわかる通りだ。そらまあ嘘だとしても、外国の賓客が来た時にスーパーで買ってきたお総菜の天麩羅食わせる外務省はおらん罠。やっぱり天麩羅はカウンターの向こうでジュワジュワ揚げてくれるのが一番だ。したがって、アメリカ大統領が来日した折にはカウンター焼鳥屋を借り切るというのがお作法になっている。作りたてというのは何よりのご馳走なのだ。

本場中国では、シューマイというのは「余った野菜を刻んで処理」する残飯料理ということになっていて、だから何を入れても良いのだが、基本は豚肉だ。「豚の美味さは脂身だよ」と教えてくれたのは、箱根山麓で豚飼いをやっていた知人だが、さすがプロだけあってポイントを判っている。なるほど、豚の旨さは脂身にアリか。メモメモ。残念ながら箱根豚の養殖は、今ではほとんどなくなってしまったけどね。まず、肉屋で豚肉を買う時に、脂身を余分に貰ってこよう。肉だけでなくハムとかコロッケとかたくさん買って「いくら?」と聞いたあとで「そうだ、ついでに脂身おくれ」と頼むとタダで貰えるかも知れない。保証はしないが。カネ払ってもたいした金額じゃない。普通の挽肉に、無料の脂身を二割くらい足して増量してやるのがシューマイ作りのコツだ。

野菜はタマネギと太ネギ。場合によってはタケノコが入っても良い。味にはあまり影響しないが、楽しい食感を与えてくれるだろう。市販の水煮をみじん切りにすれば良い。例によってタマネギは弱火でじっくりと炒める。キツネ色になるまで。太ネギはそのままみじん切り。フードプロセッサがあるとシューマイ作りは格段に楽だ。というか、脂身を二本包丁でトントコみじん切りなんて技はクタビレルだけで人生に何の幸福ももたらさない。あとは帆立の貝柱を干したヤツ。形の良いのは高いので、小さくてバラけた安物で良い。乾燥海老なんてのも良いね。中華料理の材料コーナーにあるけど高い。あんなもの東南アジアで買えばひとケタ違う値段なんだが。この貝柱と乾燥海老でシューマイの旨みがグッと増す。この二つは前日から水で戻しておきたい。時間がなければ固いままフードプロセッサに放り込んで粉々にしてから戻すと早い。あとは、事前の処理が必要な乾しシイタケ。これが今回のキモである。なんたってコレは「伊豆グルメ」だから。

伊豆市に行って直売所で乾しシイタケを買って来よう。肉厚のどんこは不向き。安くて薄っぺらな小さいのが味も染み込みやすくて、この料理には向いている。まず水に漬けて戻す。柔らかくなったら食えない石突をハサミでちょん切る。それから味付け。醤油、砂糖、日本酒でしっかり濃い味をつけて佃煮を作ろう。今回は他の食材の微妙な香りを生かすために、味付けはシイタケだけでやってしまおうというのがアイデアである。で、シイタケの佃煮ができたらこれまたフードプロセッサでみじん切りにしてしまう。と、ここまでで下準備は完了だ。

挽肉、脂身、炒めたタマネギ、太ネギのみじん切り、貝柱と乾し海老をみじんに砕いて水で戻した物、シイタケの佃煮と、やたらめったらみじんに切り刻んだ材料が揃ったら、それを鍋に投入してかきまわす。片栗粉と塩・胡椒はここで投入。風味付けにゴマ油と日本酒。味はシイタケで充分ついているので、これだけだ。空気が入らないようにじっくり練ると粘りが出てくる。ここまでで餡の完成。鍋からボウルにでも移しておこう。そしていよいよシューマイ作り。ここで用意するのはコーヒースプーン一本とまな板だけだ。

まず左手で「お金が大事だよぉ」という手つきを作る。さすが中国料理だね。親指と人差し指でマルを作るわけだ。そのまま手のひらを右に向けて、マルの上にシューマイの皮をのせる。スプーンですくった餡を皮にのせてマルの中に押し込んで行くと、自然にシューマイの形になって行く。まな板の上でトントンと形を整えれば、はい、完成。あとは同様にして残り69個を作るだけ。そう、三島赤橋近くの丸勝製麺所ではシューマイの皮は140個売りなのだ。せめて半分は消化しないと冷蔵庫の肥やしが増えてしまう。数にこだわってやたら数えたい性癖のある人は、てっぺんにグリーンピースを乗せておくと良い。アレは数を数えやすくするために乗せるものであって、味には無縁だったりする。確かにグリーンピースがないと数えにくい。お金持ちはてっぺんに小さな生海老を乗せるのも良い。

蒸し方にもちょっとしたコツがある。まず蒸し器の床にキャベツの葉っぱを敷いて、そこにシューマイをのせるのだ。これを怠ると蒸し器に貼り付いてしまう。キャベツがなければ白菜でも良い。ちなみにコレは単なる下敷きじゃなく、食えるからね。念のため。シューマイは互いに触れ合わないように。皮と皮が接触してると貼り付いて繋がってしまう。蒸し時間は10分。おっと、その間にやっておかなきゃいけない事がある。シューマイを盛る皿を熱湯で温めておこう。アツアツの作りたて蒸したてをそのまま食うのが目的なのだ。蒸しあがったら手早く並べて、あとは食うだけ。醤油はつけてもつけなくても良い。基本味はシイタケ佃煮で付けてある。市販のシューマイと違ってホロッと口の中で崩れる食感を味わえるだろう。と、その瞬間、太ネギの香味と、海老、帆立の旨味がそれぞれ自己主張をしつつも混然となって立ちのぼってくる。脂身を混ぜて旨味を増した豚肉がそれをベーシックに支え、ひと手間かけたシイタケの佃煮が全体を引き締めると、まあ、そんな具合だ。一人10個はペロッとイケてしまうので、いっぺんに70個作るというのも決して無謀ではないのだった。

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コメント

結婚してから餃子は手作りしたけど、シューマイを手作りしようって発想なかったわw

>シューマイはギョーザより作るの簡単だ。だって閉じてないもの。

ですねw
近いうちに作ってみま~す♪

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