小沢氏は、父親の遺産を妻と息子3人の各名義で預けていた信託銀行口座から98年と01年に引き出して自宅と事務所に保管していた計約3億6千万円、93年に出版し72万部を超えた著書「日本改造計画」(講談社)の印税収入の残り約9千万円などにより、04年の土地購入時には4億数千万円と十分な資金があったと主張する見通しだ。
ただ、特捜部は、土地購入と同じ04年10月に本体工事の入札があった「胆沢(いさわ)ダム」(岩手県奥州市)の受注をめぐり、小沢氏側に裏金を提供したとする中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)元役員らの供述を得ており、裏金が4億円の一部に含まれている疑いがあるとみている。このため、小沢氏の説明に矛盾がないか詳しく調べるとみられる。
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小沢氏は22日、札幌市で催された党北海道連のパーティーに出席した。自らの資金管理団体をめぐる事件を念頭に「毎度お騒がせしております」と切り出して会場の笑いを誘ったものの、翌日に予定される特捜部の事情聴取などには一切触れなかった。
午後に東京から空路で北海道入りした小沢氏は、鳩山内閣の10年度予算案の成果を強調したうえで、「夏の参院選が最終の戦いになる」と訴えた。あいさつの後すぐに新千歳空港に向かい、東京にとんぼ返りした。