【北京=高橋哲史】中国国営新華社系の日刊紙、中国証券報は20日、銀行業監督管理委員会(銀監会)など中国の金融当局が主要銀行に対し、1月の新規融資を停止するよう通知したと報じた。年明けから銀行融資が急ピッチで増え、カネ余りが一段と深刻になっているためだ。金融市場では当局が銀行融資を本格的に絞り込み始めたとの観測も広がっている。
中国の銀行融資は年明けから急増。最初の2週間だけで人民元融資残高の増加額は1兆元(約13兆3000億円)に達したもようだ。銀監会などは「窓口指導」と呼ばれる行政指導を通じ、貸し出しの増加額が多い銀行を中心に1月は新たな融資をしないよう指示したとされる。
中国人民銀行(中央銀行)は18日、市中銀行から強制的に預かる資金の比率である預金準備率を0.5%引き上げ、銀行融資の増加ペースを抑える姿勢を示した。市場では金融引き締めへの警戒が強まっている。(10:24)