民主党の糸川正晃衆院議員(35)=比例北陸信越ブロック=が社長を務める投資助言会社「エル・エヌ・シー」(東京都中央区)が、投資顧問業者に認められていない証券取引などを行っていたとして、金融庁から3カ月間の業務停止を命じられていたことが21日分かった。糸川氏は朝日新聞の取材に「認識不足だった」と話している。
金融庁によると、エル社は2003年12月と04年3月、投資顧問契約を結んでいた顧客5人に中国籍の未公開企業の株式などを約4千万円で取得するよう勧誘し、取得代金を預かったとされる。
顧客の1人が昨年、配当がないとしてエル社に1300万円の支払いを求めて東京地裁に提訴し、エル社が関東財務局に提訴を受けたことを届け出たことで違法行為が判明。金融庁は今月15日、エル社に対し4月14日までの業務停止と、再発防止策の策定など業務改善を命じた。
糸川氏はファイナンシャルプランナーで、01年2月にエル社を設立した。05年9月の衆院選で初当選するまで、中国株などへの投資助言を行っていたという。
糸川氏は「カラオケクラブを経営する中国企業に知人らが投資することになったが、エル社名義では取引できないと分かっていたため、私の個人名義で金を集めて投資したところ、財務局から会社と一体の行為だと認定された」と説明。「投資先から一方的に配当を止められ、知人に分配できなくなった。すでに投資助言業務はやめており、投資顧問業の登録廃止を届け出たい」としている。