首都圏の地上デジタル放送(地デジ)は、現在のアナログより約2秒遅れて画面表示されるため、気象庁発表の緊急地震速報も遅れて伝わる。こんな思ってもいなかった地デジの弱点が明るみに出た。
地デジの受信速度を調査し、発表したのは横浜国立大工学部の高橋冨士信教授のグループ。地デジは情報量が多いために情報を圧縮して送信するため、解凍するのに時間がかかる。アナログ放送に比べ、首都圏では平均1.95秒遅れて受信。ワンセグメント放送(ワンセグ)では平均3.85秒遅れるのだという。そのため、気象庁の緊急地震速報の受信に影響が出る可能性があるというのだ。
地デジやワンセグの受信遅れは「緊急地震速報」にどんな影響を与えるのだろうか。気象庁の地震津波監視課はJ-CASTニュースの取材に対し、
「地震が来る前に『間もなく大きな揺れがやってきます』と速報する場合もあるわけですから、2秒、4秒の遅れは大きい」
と話す。
ただし、地デジでの受信速度の遅れは「以前から分っていたはず」という指摘もある。J-CASTニュースがNHKの緊急地震速報の担当者に取材したところ、「現在の技術では遅れが生じてしまう」と認めた上で、
「今後の技術の進歩で遅れの時間は短くなっていくはず。遅れるから緊急地震速報を出さないほうがいいというものではなく、災害を減らす可能性がある限り速報は出し続ける」
としている。
ネット上では、
「緊急地震速報の意味無いじゃん」
「一秒でも早い予報を出すために、何億という金をかけて地震予知をしてるのに、それを無駄にする地デジ」
などの批判の声が出ている。
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