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2010鳩山政権

「脇の甘さ」対「詰めの甘さ」? 初の党首対決は凡戦

2010年1月22日1時48分

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写真衆院予算委で民主党のマニフェストを手に質問する自民党の谷垣禎一総裁(手前左)。右は鳩山由紀夫首相=21日午後2時24分、国会内、飯塚悟撮影

 鳩山由紀夫首相と自民党の谷垣禎一総裁が21日の衆院予算委員会で相まみえた。政権交代後、初めての党首対決の焦点は、政策ではなく、「政治とカネ」。夏の参院選に向けた2大政党の緒戦は、首相の脇の甘さと谷垣氏の詰めの甘さが目立つ論戦となった。

 「一番の心配は、政治は自分たちと関係ない資産家のセレブがやっているとの見方が蔓延(まんえん)することだ」。谷垣氏は冒頭から攻め立てた。

 谷垣氏の狙いは、実母から月1500万円の資金提供を受けながら「知らなかった」と言う、庶民感覚からかけ離れた首相の姿を浮かび上がらせることだった。

 谷垣氏は周囲に「鳩山問題は要するに相続問題だ。これから確定申告の時期。関心の高い人が増える」と語る。国民に納税を求める首相として、不適切というわけだ。

 谷垣氏は首相に「もし総理がこのことを承知していることを証明できたら、総理大臣をお辞めになりますね」と質問。首相は「天地神明に誓って申し上げたことですから、もし違うという事実がでてきたら、当然バッジをつけている資格はない」。首相から議員辞職の言葉を引き出した。

 ただ、谷垣氏は論戦の中で再三「今日のところはそれぐらいにしておきましょう」を連発し、委員会室には失笑が漏れた。小沢一郎・民主党幹事長の土地取引問題についても、別の若手議員に譲るなど突っ込み不足が際立った。

 一方の首相は、夜まだ明けぬ午前6時15分、平野博文官房長官らとの答弁確認のため公邸を出発。恒例となっている記者団との朝のやりとりは1問で切り上げ、足早に仕事場の官邸執務室に入った。

 首相側は「何かしゃべりたくなるんだよね」と話す首相の「しゃべり過ぎ」を徹底的に封じ込める戦略だった。側近の一人は首相に念を押した。「セリフは三つか四つのパターンだけです。どれだけしつこく同じことを聞かれても、どれくらい耐えてしゃべれるかです」

 この日の論戦でも、首相自身の偽装献金事件で「私腹を肥やしたことはない」「国民の命を守る政治を作ることで責任を果たす」と従来の説明を繰り返していた。

 だが、谷垣氏の挑発に乗り、議員辞職発言に。党幹部の一人は「人が良すぎるというか、言わなくてもいいことを言う」と顔をしかめた。

 2人の論戦はこの日の質疑時間7時間のうち1時間半。論戦を終えた谷垣氏は「鳩山さんの答弁は融通無碍(ゆうずうむげ)。とらえどころがなかった」。首相は「自民党さんにはなかなか分かってもらえないこともあるが、心を尽くしていきたい」と記者団に語った。

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