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武蔵川理事長 貴乃花親方をバッサリ!

 口を真一文字に結び厳しい表情をみせる貴乃花親方=貴乃花部屋
 口を真一文字に結び厳しい表情をみせる貴乃花親方=貴乃花部屋

 2月1日に行われる日本相撲協会の理事改選に二所ノ関一門を離脱して立候補する貴乃花親方(37)=元横綱貴乃花=が20日、武蔵川理事長(61)=元横綱三重ノ海=から非難を浴びた。二所ノ関一門の幹部から合計7人の離脱者が出た報告を受けた理事長は「あっちゃいけないことと思う」と批判。貴乃花派が訴える角界改革についても反論した。貴乃花親方にとって、協会トップとの対立という最大の逆風が吹く可能性が出てきた。

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 全取組後、事実上の破門となった貴乃花派の話題に武蔵川理事長の声色が変わった。「(理事に)ふさわしければ一門の多くの人が推薦してくれる。1人でどうのじゃなく、一門の中で先輩の話を聞いてね」。一門を軸にする角界の風習に逆らう貴乃花親方に不快感を示した。

 理事長は理事選について沈黙を貫いてきたが、この日、二所ノ関一門の放駒理事(元大関魁傑)、二所ノ関理事(元関脇金剛)、不知火副理事(元関脇青葉城)から「我々一門のことでお騒がせして申し訳ない」と報告を受けた。「離脱者6人」という事態に、重い口を開いた格好だ。

 貴乃花派が“改革派”と呼ばれている現状にも不満を漏らした。「改革、改革と言うが何があるの?(私も)何もやっていないわけじゃない」。貴乃花親方は選挙公約を公にしていない。にもかかわらず、現執行部が“抵抗勢力”として比較されることに疑問を持つ声は協会内にはある。

 不知火親方は「途中で代わってまだ1期目。2期目に入ってこれからじゃないですか」と理事長を擁護。08年9月の就任直後に立ち合いの正常化に乗り出し、執行部全体でも公認キャラ「ハッキヨイ!せきトリくん」の導入など実績がある。

 協会トップの武蔵川理事長との対決色が強まると、貴乃花親方は理事に当選した場合でも要職につけない可能性が高い。「一門制は先輩が作ってきた大事なものと思う。何でもかんでも変えたら伝統の魅力はなくなる」と理事長。貴乃花親方にとっては“行くも地獄、戻るも地獄”の状況だ。

(2010年1月20日)





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