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猫神さま霊験あらたか 丸森で石像5体見つかる

5体の猫の石像のうち、ほぼ完全な形で残っていた1体(石黒さん提供)

 江戸時代から昭和時代中期にかけて養蚕の盛んだった宮城県丸森町で、猫の石像が5体確認された。養蚕農家の「猫神信仰」を示す珍しい史料。調査した村田町歴史みらい館の石黒伸一朗さん(52)は「ネズミの食害を防ぐ猫に敬意を払って立てたのだろう」と話している。

 石像はいずれも座像で神社やお堂の境内、一般民家の敷地に建立されていた。高さ32〜18センチで本物の猫とほぼ同じ大きさ。伊達市梁川町産の凝灰岩「赤滝石」で作られている。5体のうち1体はほぼ完全な形で残り、4体は頭部が欠けていた。

 ほぼ完全な1体は民家の敷地に設けられた観音堂のそばに立っていた。所有者の家では「ネコガミサマ」と呼ばれ、明治時代初期に同市梁川町の石工に頼んで彫ってもらったと伝わる。

 養蚕農家にとってネズミは蚕を食い荒らす厄介者で、猫はネズミよけの神として信仰された。

 石黒さんは、猫の石碑をこれまで県内で約50体確認したが、石像は初めてという。全国的には石像は伊達市に8体、いわき市に1体、長野県に2体存在するという。

 石黒さんは「材料の石の産地の伊達市でも石像が発見され、文化的、経済的な交流がうかがえる」と話している。


2010年01月13日水曜日

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