世界最大の航空会社である米デルタ航空のリチャード・アンダーソン最高経営責任者(CEO)は20日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙とのインタ ビューで、日本航空への支援について、同社がメンバーとなっている国際航空連合「スカイチーム」は太平洋をまたぐパートナーシップ構築の中で、当初提案の 10億2000万ドルを超える投資をする用意があることを明らかにした。
同CEOは、9航空会社からなるスカイチームの最終提案は「これまで言ってきた額より大きく」なる可能性があると述べた。
デルタとスカイチーム加盟企業はライバルグループの「ワンワールド」から日航を引き抜き、日本とアジアの市場でシェアを拡大させようとしている。
AMRの子会社で、ワンワールドのメンバーであるアメリカン・エアウェイズは同社とプライベート・エクィティーファンドのTPGが日航に資金を供給する意欲を示している。額は明かではない。日航は数四半期連続で赤字を計上したあと、経営再建の途上にある。
デルタは先に、日航がスカイチームに移ることに同意すれば、スカイチームは収入補償として3億ドル、資産担保資金で2億ドル、過渡費用として2000万ドルを出すほか、5億ドルを注入する用意があるとしていた。
日航の再建は、多額の債務で経営が行き詰まっている「ゾンビ」企業に対する鳩山新政権の強硬路線がうまくいくかどうかの初の大型試金石とみられて いる。民主党は2カ月前に政権の座を奪ってから1兆円以上の債務や年金コストを抱えて身動きがとれなくなった日航の再建に焦点を当てている。デルタもアメ リカンもこれを日航投資へのチャンスとみている。
アンダーソンCEOはインタビューで、デルタもスカイチームも日航の取締役のポストや経営参加に関心を持っていないとし、「だれを管理する必要もない。われわれはそれを望まないし、期待もしていない」と強調した。
また、同CEOは、日航を引き寄せるのにスカイチームが投資会社と提携する公算は小さいと述べた。同CEOは「サードパーティーから多くの問い合わせがある」としながらも、「われわれはスカイチームの戦略的投資だけを考えている」と語った。