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涙声で潔白訴える様子も 菅家さん取り調べテープ(1/2ページ)

2010年1月21日23時8分

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写真:厳しい口調で会見する菅家利和さん=21日午後6時6分、栃木県庁、水野義則撮影厳しい口調で会見する菅家利和さん=21日午後6時6分、栃木県庁、水野義則撮影

 栃木県足利市で1990年に当時4歳の女児が殺害された「足利事件」の第4回再審公判は21日午後も取り調べテープの再生が行われた。供述が揺れる菅家利和さん(63)に対し、担当検事が不自然さを感じながら、自白の誘導とも受け取れる質問をしていく様子や、菅家さんが警察や検察への恐怖心から虚偽の自白をしたことを語った場面もあり、密室での生々しいやりとりが法廷に響いた。

 再審公判が開かれている宇都宮地裁(佐藤正信裁判長)では、午前中の92年1月28日の1本に続き、2月7日、12月7日の2本が再生された。いずれも森川大司・元検事による取り調べで、足利事件と、足利市で79年と84年に起きた別の2件の女児殺害事件(不起訴)について、菅家さんに事情を聴いた内容だ。

 2月のテープでは、84年の事件について、検事が「君が女の子を見つける時、どの事件もみんな女の子しゃがんでるんだよね」と語る。菅家さんの供述がどれも定型化していることに不自然さを感じている様子がうかがえる。

 こうした中、検事は「(女児は)誰かと遊んでいたでしょう?」「声をかけた時に他に誰もいなかった?」と、誘導とも取れる言葉を投げかける。1分以上沈黙することもあった菅家さんは「遊んでいたとすれば、女の子だと思うんですけど」「1人でいたような気がした」ととつとつと答えている。

 一方、足利事件の公判中だった12月のテープでは、裁判でも容疑を認めていた菅家さんが明確に事件への関与を否定する。検事が「本当にやったのなら、本当にやったということで構わない」と促すと、菅家さんは「やってません」。「三つの事件があるんだけど」と検事が問い直しても、菅家さんは「全然かかわっていません」と、絞り出すような涙声を交えながら潔白を訴えた。

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