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■ 秋田のニュース:社説

社説:日航破綻 体質改善に全力挙げよ

 日本を代表する「翼」がさび付き、ついに折れてしまった。日本航空が会社更生法による再建を目指すことになった。

 まず、金融機関を除く事業会社では過去最大となる経営破綻(はたん)の重みを、しっかり胸に刻まなければならない。グループ3社の負債総額2兆3千億円余は、気が遠くなるほど巨大だ。

 それ以上に不可欠なのは、破綻原因の十分な省察である。なぜこんな事態に陥ったのかを関係者一人一人が認識し直さなければ、再建策の内容がどうであれ、再生が軌道に乗らない恐れが出てくるからである。

 「親方日の丸の高コスト体質」から脱却するために、どれくらい意識改革が進められるか。これに成否がかかると言っても決して大げさではない。

 更生法という「法的整理」はやむを得ない選択だったといえる。「私的整理」では改革が中途半端に終わる可能性が否定できず、手続きの透明性という面から多額の公的資金を投入する理解も得にくいからだ。

 現在の日航は民間会社とはいえ、空の足を担う事実上の公共的交通機関。しかも連結従業員数が5万人近い巨大企業のため、清算してしまうわけにはいかない事情もあった。

 更生法適用の結論に至るまで政府内がかなり迷走したことも見逃せない。政権交代があったことを考慮に入れても、日航への対処案がなかなか決まらなかったことは、危機管理能力に一抹の不安を抱かせる。

 再生計画は思い切った内容になっている。現時点での問題はむしろ、この通り実施できるかどうかだ。人員1万5千人余の削減一つ取っても、全従業員の3割に当たり、一筋縄でいかないのは明らかである。

 地方としては不採算路線の廃止が課題となる。日航の合理化で地方空港によっては定期便が飛ばないということになれば、利便性どころか、空港の存亡にかかわることになるからだ。

 日航の経営を長年苦しめてきた「政・官・業のもたれ合い」を打ち破れるかどうかも鍵を握る。国土交通省からの天下りや政治とのしがらみを排除できないようだと、再生の阻害要因になりかねない。

 再生計画は突き詰めれば、リストラで収益を改善する作戦だ。しかし、景気後退や航空業界の競争激化が続く中、それだけで生き残れるのか。いずれは増収策を含めた「戦略」を打ち立てる必要が出てくる。

 これに関連して航空行政の在り方も問われそうだ。全日本空輸とともに二大メガキャリアー(巨大航空会社)体制のままでいくのか、それとも何らかの役割分担やすみ分けを行うのか。

 再生の道のりがどうあれ、日航が最も忘れてはいけないことがある。安全の確保だ。採算重視に傾くあまり、安全・安心に疑問が生じるようなことがあれば、再建どころか航空会社としての信頼を失うことになる。

(2010/01/21 09:50 更新)

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