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躾には叩くことも必要という学説は果たして本当か?

週刊文春1月21日(木) 12時17分配信 / 国内 - 社会
「叩かれないで育った子どもは、叩かれたことのある子どもに比べ、反社会的行動や早めの性行動、楽観主義などに走る傾向がある」(英「タイムズ」紙一月三日付)

 この研究結果を発表したのは、カルヴィンカレッジ(アメリカ・ミシガン州)のマージョリー・グノエ教授。体罰に敏感になっている日本人にとっては意外な内容だが……。

「子どもが親に叩かれた場合、行いを反省するよりも叩かれたことに対する恨みの方が強く残るというのが心理学の定説です。さらに、叩かれることが暴力的な性格を形成するきっかけを作る可能性も指摘されています。子供を躾るうえで大切なのは叩くことではなく、親が充分に子供を注意し監督することです」(東京工業大学教授で精神科医・影山任佐氏)

 だが、教育現場からはこんな意見も聞こえてくる。

「生徒を言葉だけで諭すのは難しいと感じている教師の方は多い」(教育システムデザイナー・古賀俊一郎氏)

 現場の教師も言う。

「昨今は、『お前が手を出したら教育委員会に言いつけてやるぞ』と言いながら教師に暴力を振るう生徒もいます。この様な場合、叩いて間違いを正した方が大事にならず収まる可能性が高いと思うのですが、教師の体罰は『学校教育法第十一条』で禁止されています。で、やむを得ず警察を呼ぶこともあります。これでは生徒の将来にも悪影響を及ぼすことになるので、ときには躾として叩くことも許されるべきではないかと思います」(公立中学教諭)

 前出の影山氏も、この意見には一定の理解を示す。

「口で注意しても子どもが理解してくれない場合は、最終的な手段として叩くことも必要かも知れません。しかし、それが効果を発揮するのは親子間や教師と生徒の間に信頼と愛情がある場合です。そうでなければ、ただの家庭内暴力や校内暴力。とくに、暴力が常習化している家庭や学校では、叩いても教育や指導にまったく効果がなく、子どもが暴力的になるだけです」

 冒頭のグノエ教授は「子どもの自己管理能力を高めるためには、時として叩くことも必要となる」と結んでいるが、それが有効なのは信頼と愛情がある場合に限られるのだ。 (岡崎博之)

(週刊文春2010年1月28日号「THIS WEEK 教育」より)
  • 最終更新:1月21日(木) 12時17分
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