モーやんの回歓録

坂口、大木の無念の涙(2)

スポーツ2010年01月21日 14:47 | フォルダ : 

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「裏切り者」のレッテルを貼られた坂口グループの日プロ最後の試合は3月8日の佐野(栃木)。大木派と坂口派の控え室は別々で、大木派の面々は「タダでは辞めさせん」と殺気立ち、控え室をのぞいた私に「なんだお前、坂口のスパイか。ウロウロしてると痛い目にあうぞ」と脅しをかけてきた。坂口からは「危険だから、あっちに行かないほうがいいよ」と忠告された。険悪なムードの中、坂口派の大城が桜田にボコボコにされ顔面血ダルマにされ観客から悲鳴があがった。待たせてあった車で逃げるように会場を去った坂口は「なんで俺たちがこんな目にあわなければいけないんだ。みんなの将来を考えて猪木さんと手を組むことにしたのに」と目に涙を浮かべ訴えた。小沢も木村も大城も泣いた。あまりにも悲しい日プロとの別離の瞬間だった。

 それから1月半後の4月20日の群馬・吉井町大会で日プロは20年の歴史に終止符を打った。最後のシリーズはプロモーターがつかず自主興行。レスラー全員で興行地の駅前で切符を売り、リングを組み立てた。小鹿は言った。「石にかじりついても日プロの火を守りたい。タダそれだけだよ。出て行った人たちに文句を言うつもりはない」。試合終了後、大木以下全レスラーがリングに上がり観客に感謝の言葉を述べ、号泣した。3・8と4・20にプロレス担当記者として、ただ一人立ち会った私は坂口、大木がこぼした涙は、力道山の遺志を守りきれなかった「無念の涙」の一滴と思った。

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牟田基のプロフィル 昭和22年生まれ、広島県尾道市(旧・因島市)出身。駒澤大学歴史学科卒。昭和46年東京スポーツ入社。主
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