東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

振り込め被害額3分の1 昨年 検挙率77%に大幅改善

2010年1月21日 夕刊

 二〇〇九年中に全国の警察が認知した振り込め詐欺は七千三百四十件、被害額は約九十五億七千九百万円で、前年と比べて件数、被害額ともほぼ三分の一の水準にまで下がったことが二十一日、警察庁のまとめで分かった。振り込め詐欺が増加し社会問題化した統計が残る〇四年以降、毎年の被害額は二百五十億円を超えていたが初めて百億円を切った。 

 検挙件数は前年比28・8%増の五千六百六十九件で、検挙率は21・5%から77・2%に大きく改善した。

 振り込め詐欺全体で〇九年の上半期(一〜六月)と下半期(七〜十二月)を比較すると、融資を持ち掛けて保証金をだまし取る「融資保証金詐欺」や、税金などの還付名目で詐取する「還付金詐欺」は大幅に減ったものの、警察官や親族などを装う「おれおれ詐欺」は件数で10・8%、被害額で4・5%それぞれ増加。「架空請求詐欺」は、微減にとどまった。

 〇九年下半期の認知件数を都道府県別でみると、最も多い東京都が月平均で百三十二件だったのに対し、最少の青森は〇・七件と一件に満たず、地域間でばらつきがみられた。

 地域別の認知件数の割合を上半期と下半期で比較すると、東京都と東海(愛知、岐阜、三重、静岡)の割合が増加。中でも東京都は13・4%から24・5%と大幅に上昇した。

 警察庁幹部は「官民一体となった予防活動で、顕著な成果を挙げたが、生き残った少数の手ごわいグループが依然、活発に活動している。『地域差』や『手口』に即した県ごとの対策を継続、強化する」としている。

 

この記事を印刷する