人の生活に欠かせない存在になっているペット。県内の犬の登録数は1989年度の約3万7千匹から、2008年度には約7万3千匹と、20年でほぼ倍増した。一方で、08年度には飼い主に捨てられるなどした犬と猫合わせて4256匹が殺処分されている。処分される匹数は減ってはいるが依然として数は多く、人とペットのよりよい関係づくりが求められている。
大分市小野鶴の県動物管理所には08年度、捕獲されたり家庭で飼えなくなった2381匹の犬が収容された。このうち飼い主の元に返されたり、新しい飼い主に譲渡されたのは634匹で全体の4分の1ほど。
管理所では毎月2回、新たな飼い主を見つけるための譲渡会を開いている。引き取られる件数は増えてはいるが、それでも収容された7割以上は処分されている。
譲渡会がなく、新たな飼い主を見つける機会がない猫はさらに深刻。管理所が08年度に引き取った2591匹のうち、新しい飼い主に引き取られたのは、わずか82匹(3・1%)で、ほとんどが処分されている。
県動物愛護ボランティアネット「猫プロジェクト」の安永トモ子代表は「かわいそうな猫を増やさないためには、避妊や去勢手術などの取り組みが重要。そのためには一人一人のマナーと行政、ボランティア、地域の連携が欠かせない」と指摘。管理所も猫の譲渡会開催を模索しているが、「現状では管理するスペースが手狭で困難」という。
県獣医師会の小野譲事務局長は「犬や猫などの動物と生活する際は、習性を十分に知った上で命の重みを感じ、責任を持って飼育してほしい」と話している。
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▽24日午後1時から、大分市の県教育会館で公開講座がある。県獣医師会の主催。「犬・猫と一緒の自主防災について」「知っておきたい犬の気持ち、猫の気持ち」の講演がある。
▽2月21日午後1時半から、大分市のいいちこ総合文化センターで「猫問題の解決の糸口をさぐるシンポジウム」がある。主催はボランティアグループ・猫プロジェクト。黒沢泰さん(横浜市職員)の講演「猫トラブル『ゼロ』を目指す地域猫活動」もある。
いずれも入場無料だが事前の申し込みが必要。定員になり次第、締め切る。申し込みは県獣医師会(TEL097・555・9527)。
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