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【主張】首相の「検察批判」 不適切であり撤回求める

2010.1.19 02:42
このニュースのトピックス主張

 土地購入をめぐり元秘書ら3人が逮捕された小沢一郎民主党幹事長に対し、「どうぞ戦ってください」と述べた鳩山由紀夫首相の発言が波紋を広げている。

 首相は18日、「検察介入ではない」と釈明したが、首相発言は検察の捜査に注文をつけたと受け止められる。行政の長である首相の検察批判は不適切であり、撤回を求めたい。

 小沢氏も民主党大会で検察当局と全面的に対決していく考えを示した。両氏の発言は、司法権の独立と公正さをゆがめ、三権分立の否定につながりかねない。「法の統治」が問われている。

 政府は平野博文官房長官が「幹事長職にとどまる小沢氏への激励だ」と説明した。菅直人副総理・財務相も「私も納得できる」と述べるなど、問題視しない姿勢をみせている。

 一方、野党側は「首相の立場を逸脱した」「不穏当」と反発している。何よりも懸念されるのは、小沢氏側への捜査に対して、政府が指揮権を発動することだ。

 指揮権発動について、検察庁法は個別事件の捜査や処分への指揮権に関して、法相は検事総長を通じて指揮できると定める。政から官へのチェック機能だ。

 だが、昭和29年の造船疑獄で吉田内閣の犬養健法相が指揮権を発動して以来、一度も使われていない。内閣が倒れる一因にもなったように、政治家捜査への政治の介入に批判が強かったからだ。

 政府としてきわめて慎重に扱うべき問題だ。だが、千葉景子法相は昨年の就任後に「指揮権という権限があるから、あり得るということではないか。それに尽きる」と踏み込んだ発言をしている。

 小沢氏の公設第1秘書の逮捕を受けて、民主党が設置した西松建設の違法献金事件に関する第三者委員会は、「法相は高度の政治的配慮から指揮権を発動し、あえて国民の判断にゆだねる選択肢もあり得た」と報告書で指摘した。

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査によると、土地購入事件での強制捜査を74%の人が適切だと判断している。小沢氏の幹事長辞任を求める人が70%に上り、48%は議員辞職まで求めている。

 国民は事件をきわめて厳しくとらえている。検察との対決ではなく、政治責任を明確にすることが求められていることを、首相と小沢氏は重く受け止めるべきだ。

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