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【外信コラム】台湾有情 ここは日本?
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筆者1面コラム「東亜春秋」(12月9日付)で台湾の若者の日本語レベルの高さを紹介したところ、戦前の日本語教育を受けた世代を中心とする日本語サークルが先週末催した忘年会に招待された。出席者は103人にのぼったが、全員が日本語だけを話す宴会場では、まるで東京に一時帰国したような錯覚にとらわれた。
旧暦の台湾では2月14日が元旦。ひと足早い忘年会の招待主は「友愛グループ(張文芳代表)」。「美しく正しい日本語を台湾に残そう」と1992年に台北で発足したサークルだ。
台湾人7人と賛助会員の日本人3人でスタートしたが、今や約160人にのぼる。
月例会のため自前の教材を作り、昼食を含めて4時間も朗読や文章表現、漢字などの勉強を続けている。
平均年齢は75歳と高齢だが、今年も入会者が4人と会員数は増える一方。戦前生まれの高齢者人口が先細りの中で、友愛グループの盛況ぶりは日本人としてうれしい限りだ。
忘年会では綾小路きみまろのライブビデオを上映したが、日本人しか分からないはずの夫婦の微妙な会話や中高年への風刺に爆笑が絶えない。「そうだ、この人たちは日本人として生まれ育ったんだ!」と腑に落ちる思いがした。
日本語世代が若者の日本語の土台でもある。大学生の日本語コンテストでは、おじいさん、おばあさんとの日本語のやりとりをテーマにしたスピーチもあった。日本語世代の一層の活躍を祈りたい。(山本勲)