こんにちは。講談社BIZのからまるです。
さてさて、そんな次第でニコライ・モロゾフさんの本造りが2007年の秋から本格スタートしました。モロゾフさんから時間をもらい何度もロングインタビューをしました。場所は安藤美姫さんや高橋大輔さんの練習場所がある中京大学や関西大学の近くだったこともありますし、本拠地の米国・ニュージャーシー州ハッケンサックだったこともありました。
でも、こうしたインタビュー取材については、スーパー英語使いの大野和基さんと編集担当の部員がすばらしい仕事をしたので、からまるはまったく出る幕がありませんでした。なので、時間は一気に2009年の冬に飛びます。
すでに翻訳も終わり、日本語をブラッシュアップしたり構成を変えたりしていたのですが、どうも気になることがありました。フィギュアスケートは超人気競技です。そのフィギュアスケートの本当のファンの方々にとって、この本は面白いものになっているのだろうか。その相場観がからまるにはないことが不安になってきたのです。
また、用語や言い回しについてもそうで、本当にフィギュアスケートの凄さ面白さ楽しさを表現し切っているんだろうか? このまま出していいのだろうか? 出版時期はどんどん迫ってくるのに、こんなことで大丈夫だろうか?
ちょうどそんな不安のあまり編集部の机に突っ伏して悩みに悩んでいた11月の下旬のまさにその日の夜、からまるに電話がありました。とてもなつかしい人で、ぼかして言わざるを得ませんが経済関係の専門家です。たぶん1年ぶりくらいの電話だったのではないでしょうか。
ひとしきり近況をうかがったあと、その方がからまるに人を紹介したいとおっしゃいます。とてもチャーミングな女性で、3人で食事でもしたいなーとおっしゃるので、なんだそういうこと(どういうこと?)かと思ったのですが、その女性は伊藤みどりといっしょに仕事をしたジャーナリストだと言うではないですか。
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ちょっと待て!
「いまなんて言いました?」
「だから、伊藤みどりっているじゃない。オリンピックの銀メダリストの」
「そ、そんなことは知ってますよ。それで、伊藤みどりさんと仕事をしたってことは、フィギュアスケートめちゃくちゃくわしい人ですか?」
「そりゃあ、そうでしょ。だって、フリーランスでフィギュアスケートの記事を書いていて、JOC(日本オリンピック協会)の広報部のライターの仕事もしているんだよ」
「あわわわわわ! だって、じゃないですよ。いやもう、その人すぐに紹介してもらえませんか? そんな食事なんてどうでもいいでしょ。今夜すぐにでも連絡取らせてくださいよ!」
「え? なんで?」
「いまフィギュアスケートの本やってるんですよ! それでいろいろ困って困って。ぜひよろしくお願いします」
「あれ、そうなの! わ、わかった」
そうなのです、その方はからまるがカミングアウトしていないためフィギュアスケートが好きなことをまったく知りませんし、ましてやナイショ3兄弟企画なのですから、モロゾフさんの本が進行していることなど知るよしもありません。
奇跡としか言いようがない偶然。
じつは、この電話が決定的な転機になったのです!
まだつづくヽ(^。^)丿ヽ(^。^)丿
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