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小沢氏団体不透明会計:小沢氏聴取、23日に 「4時間程度」地検側が伝達

 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件で、東京地検特捜部による小沢氏への任意の事情聴取は23日に行われる見通しとなった。小沢氏側が同日を希望すると伝え、検察側は小沢氏側の都合を最優先するとの意向を示したとみられる。特捜部は「事情聴取には4時間程度必要」と小沢氏側に伝えた模様だ。

 また、特捜部は、小沢氏の妻への事情聴取も打診している。小沢氏側が、問題となっている土地購入の原資について「亡父の相続遺産を元に、その後積み立てるなどして小沢氏や妻名義で信託銀行に預けていたものを約10年前に引き出し自宅に保管していた」などと説明しているため、妻からの聴取も必要と判断したとみられる。これに対し小沢氏側は、小沢氏本人がまとめて説明する意向だという。

 事件では陸山会が04年10月に小沢氏の手持ち資金4億円で東京都世田谷区の土地(代金約3億5200万円)を購入しながら、同年の収支報告書に記載しなかったなどとして、当時の事務担当者で小沢氏の私設秘書だった同党衆院議員、石川知裕容疑者(36)ら3人が政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で逮捕されている。この前後に陸山会の複数の銀行口座で複雑な資金移動が行われ、中堅ゼネコン「水谷建設」元幹部らが、同時期に受注した胆沢(いさわ)ダム下請け工事の謝礼として石川議員に5000万円を渡したと供述している。

 特捜部は、小沢氏に虚偽記載についての認識のほか、4億円に水谷建設からの資金が含まれていた疑いもあるとみて説明を求めるとみられる。

 特捜部は5日に小沢氏に聴取を要請したが12日までに具体的な返答がなく、13日に関係先の家宅捜索に踏み切り、15~16日に石川議員ら3人を逮捕した。

 小沢氏は16日の党大会で検察と全面的に対決する姿勢を示したが、その後、各種世論調査で内閣支持率が急落。18日には捜査に協力する意向を示していた。

 ◇小沢氏「近々理解得られる」

 小沢一郎幹事長は20日夜、東京都内の日本料理店で、輿石東・民主党参院議員会長と、高嶋良充筆頭副幹事長ら参院の副幹事長と会談した。小沢氏は自らの資金管理団体の疑惑について、「この問題で近々中に国民の理解を得られる状況が作れる」とあいさつした。

 小沢氏は「迷惑をかけてすまない。私の不徳の致すところだ」と陳謝したという。会合は輿石氏の求めで開かれた。捜査の本格化を受け、党内の体制を固める狙いがあるとみられる。【念佛明奈】

 ◇鳩山首相「冷静に見守るべきだ」--党内の検察批判懸念

 鳩山由紀夫首相は20日夜、民主党内で高まる検察批判について「党も捜査の行方を冷静に見守るべきだ。あまり熱っぽく行動することは控えて冷静にした方がいい。そう求めたい」と述べ、党代表として沈静化を図る考えを示した。首相官邸で記者団に語った。

 民主党は「捜査情報の漏えい問題対策チーム」の設置を決めるなど、検察との対決姿勢を強めている。首相は「党と国会は小沢一郎幹事長に任せる」として党運営への具体的な言及を避けてきたが、世論の批判や内閣支持率の下落を受け、小沢氏との役割分担を超えて懸念を示した形だ。

 首相は記者団に「『(検察に)圧力を加える』と思われるようなことは避けた方がいいと思う」と指摘した。【鈴木一也】

毎日新聞 2010年1月21日 東京朝刊

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