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09年中国名目GDP33.5兆元 日中逆転は10年か

2010年1月21日11時37分

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 【北京=琴寄辰男】中国国家統計局は21日、2009年の国内総生産(GDP)成長率が物価変動の影響を除いた実質で8.7%だったと発表した。名目GDP総額は33兆5353億元。09年の平均為替レートで換算すると約460兆円、約4兆9千億ドルとなる。中国の名目総額は、早ければ09年にも日本を抜いて米国に次ぐ世界2位に浮上するとの見方もあったが、日本がわずかに上回る見通し。10年の日中逆転はほぼ確実な情勢だ。

 中国は01年の世界貿易機関加盟で成長が加速。名目総額は07年にドイツを抜いて米国、日本に次ぐ3位に浮上した。日本は1968年に経済規模で西ドイツ(当時)を抜いて以来2位が続いている。だが、経済の成熟化に加え、バブル崩壊や「失われた10年」と呼ばれた長期不況に見舞われたことで名目総額は頭打ちになっている。

 日本の09年の名目総額は2月中旬に発表される予定。先月下旬に閣議了解された政府経済見通しでは、09年度の名目総額を約473兆円、10年度を約475兆円と見込んだ。09、10年暦年でも475兆円(09年平均為替レート換算で約5兆700億ドル)程度との見方が多い。日中の差は09年に2千億ドル程度まで縮小したとみられる。

 中国政府が目標としてきた「09年8%成長」は達成、4兆元(約53兆円)の内需拡大策が大きく貢献した。鉄道や高速道路などのインフラ整備を中心に09年の固定資産投資は30.1%増と高い伸びを記録。新車販売台数が初めて米国を抜いて世界首位になるなど個人消費も堅調だった。低迷が続いた外需も、09年12月単月の輸出額が1年2カ月ぶりに前年同月を上回るなど改善の動きが出ている。

 09年10〜12月の実質成長率は前年同期比10.7%と、金融危機が深刻化する前の伸びを回復した。不動産市場で「バブル」が指摘されるなど、財政出動や大幅な金融緩和の弊害も目立ち始めている。中国人民銀行(中央銀行)は今月、1年7カ月ぶりに金融機関から強制的に預かる資金の比率(預金準備率)を引き上げた。中国政府は景気過熱やインフレへの警戒も強め、経済政策の調整を進めるとみられる。

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