第一回:パンを食べる ( No.1 ) |
- 日時: 2008/08/23 12:38
- 名前: cacao.
- さてと、記念すべき第一回の『題材』発表だよ
第一回はズバリ『パンを食べる』
何の事かよく判らないかって? いやいや簡単さ『パンを食べる』んだよ
短文とか長文とかが吉とか凶とかは言わないよ。 とりあえず『パンを食べる』のさ。
まぁ、パンを食べたという揺るぎ無い事実を伝えるには、モニターの前でそれを行っても意味が無い事は確かな訳で 何かしらの手段を使って、その情景を相手に伝えるのさ。
小説板であるからして、今回の媒体は「文」になるという訳だね 早い話が『パンを食べる』文を書いてくれれば良いのさ 特にオーダーはメイドじゃないよ。自由にやってくれて構わない
食べる人は自分じゃなくてもいいし、他の誰でもいいし、人間じゃなくてもいい パンの種類も問わないよ。種類すら書かなくとも、パンなら何でも良いさ ドラマチックでも機械的でも、どっちでもいいよ。とにかく『パンを食べる』のさ
てな訳で、記念すべき第一回目のお題は『パンを食べる』 美味しい文の投稿を待っているよ
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「わたし、わたし、わたし」 ( No.2 ) |
- 日時: 2008/08/23 16:33
- 名前: 風船くじら
- 「わたし、わたし、わたし」
焦げた身体が長い指に引き裂かれ、指の持ち主の口へと運ばれる。くりかえし、くりかえし。 パンにとってゆっくりと口の中で身を溶かされてゆくことは堪らない快楽なのだろうか。沈黙のまま胃の中に飲み込まれるのを待つ。そのことに対して、パンは頑なにその微笑んだ口を開かない。
「私、爽子さんのパンの食べ方好き」見たままのことを口に出す。 爽子さんは少しだけ驚いた顔をして、「パンじゃなくて私の食べ方なの?」指をさして私に尋ねる。その柔らかい表情はパンに愛される顔、とでも言うのだろうか。 「そう、爽子さんのパンの食べ方」「へえ、どういうところが」「パンがうれしそうに口の中に入っていくなあって」 爽子さんは少しだけ吹き出した。私もそれにつられて笑った。 「でも」 「でも?」 「あなたは自分のパンの食べ方についてどう思ってるの」 「どう思ってるのって?」 「だから、自分の食べ方は好きなの?」 「自分の食べ方……」 パンを食べる時のようにリピートをしたのだけれど、爽子さんのそれと違ってこの会話は少しだけ繰り返しきれていなかった。 「……少しだけ」 「少しだけ?」 「少しだけ好きじゃない。かな。そうじゃなかったら爽子さんにそんなこと言わないと思う」 「そうね、でも、」でも、パンよりも男性に好かれたいわ。と溜息混じりにそっと続けた。 その溜息は白い皿に毅然と座る片思いのひとに聞こえたかしら。
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搾取:「わたし、わたし、わたし」 ( No.3 ) |
- 日時: 2008/09/22 00:03
- 名前: cacao.
- 爽子さんに食べられてみたい。でもなんと言うか、僕には特別な味が出せそうにないと、そう自信を損なってしまう身であるからこそ、爽子さんが妙に美しく見えてきてしまう
早い話が、好みの味です なんかこう、ぶきっちょで綺麗な姉さんが可愛いと感じる人の大半は爽子さんを好きになるのかもしれないのだけれども、それでもなんかやっぱり彼女の期待には応えられない想いが募ってきてしまって、その想いは長続きしないのかもしれない、のかなと、cacao.は思いました あぁ、切ない味です。だがほんのり暖かで、それでいて喉越しのある良い味です
――むぐむぐ、むしゃむしゃ。ごくん
ふひゅぅ、旨い。素敵な味だ。一発目からとても良い文章が降臨なされた。
だがだが人間とは、常にお腹を空かせたまま世を徘徊する、空腹鼬のような生き物です 『パンを食べる』お題はもうしばらく続きますので、どしどし応募下さい
とか言っていたらもう何日か経過してしまったぞ だが寛容なる者がこの板に来た証は、確かにこのスレッドが頂いた 次のお題に進むとしようか
お題は二回目に移りますが、一回目のお題も継続して受け付けましょう。 では引き続き、美味しい文の投稿をお待ちしております
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第二回:だじゃれ文章 ( No.4 ) |
- 日時: 2008/09/22 01:09
- 名前: cacao.
- だじゃれ文章。それは下らない一発ギャグに留まらず、恐るべき挑戦の香りであるのだった
言う所、だじゃれで文章を作って下さいという訳です
「外套を纏った人物が外灯の下を通り過ぎる」 とか! 「物凄い風と共に布団が吹っ飛んだ」 とか! 「ああ、フシギダネは不思議だね」 とか! はいはい、下らないとか言わない言わない 私も挑戦してみたのですが、これが結構奥深い
「変換機能で似たような文字を二つ並べてくっつけて、なおかつ意味のある文章を作り、それを何行かに繋げるという作業」
なかなかいいですよ、これは ではでは、投稿をお待ちしております
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Re: 空想観測所:第二回(投稿受付中) ( No.5 ) |
- 日時: 2008/09/23 17:00
- 名前: 秋桜
- 楽しそうだったので参加。
頭の体操にいいですねこれw 通学時間にパチパチ書いてましたが時間を忘れましたw ノリと勢いだけで書いたもんなんで荒いですが。
===================== 血にまみれ地に臥せた王の遺骸を守るかのように敵を睨みつける姫君。自分でも意外なことに恐怖以外の感情が心を占める。 鉄錆の臭いが蒸れ、鮮血に染まるロビーに、秘め事隠す姫に牙を剥いた騎馬の群れ。 何が先決かわからなくなる。現実感がなく、視界がぐるりと転回するような感じ。気がつけば、ぐるりと囲うように展開し終えている騎士団。 向けられる騎士の殺意に既視感。 秘法により創られた王家の秘宝。それを狙い父を殺した目の前の奴らへの自分の抱く感情によく似てる。 秘宝は何処だと剣を向け馬から降りた剣士が問えば、犬歯を剥き、誰が答えるかと瞳をギラつかせる。 父を殺されても堪えない姫君の髪を掴み、醜く笑いながら、女に産まれたことを後悔させてやる。と男が囁く。 姫君は、近すぎて見難(みにく)い男を見据え、神の御名の下に生まれたことを後悔しても遅いと嘲う。 ――ドロリとした己の感情を殺意だと理解したが最後、騎馬に牙剥く無垢なる姫君は大理石の敷き詰められた此処、ロビーで心が最期を迎える。 ――ドロリと己の体を滴る液体が血だと理解したが最期。騎士達が向かえる悲願は彼岸。 公開される宴目は狡獪な愚者達の後悔。 男達の硬骨が飛び散る破壊の絶勝。 ただ一人の女が恍惚と歌う破戒の絶唱。 事態を把握出来ない騎士達。 その間にも姫の両腕が甲冑を裂く。結果、数多咲く血花。 辛うじて、姫の凶爪(つめ)を逃れた一人が背後から袈裟がきに切りかかる。 左肩に食い込む鋼。骨を砕き、肉を断つ感触に男は高揚、ではなく安堵したかのような表情で息絶えたであろう赤に濡れた姫を見下ろした。 しかし、詰めが甘い。 男が剣を抜くと同時に血が肉が神経が、あらとあらゆる組織が再製され再生する。 それを見、しかし行動に移る前に男は凶爪(つめ)により細切れの肉片へと姿を変える。 独楽のように翻る姫君。その手には細切れにした男の長剣。 その後の男達の行動は二つに分かれた。 一つは気勢を上げて姫へと向かう。 一つは奇声を上げて逃げ惑う。 決意を固めようとも、尻(けつ)をまくって逃げようとも、結末は変わらない。
絢爛な剣乱はただ一人を残して終幕した。 静物を残し生物は皆殺し。 薔薇を解体(バラ)すように殺害(バラ)した後で、凶器を手にし、凶気に狂喜し狂気する。 息一つ切らさずに、全てを斬り捨てた少女は霧のように血の煙る広間(ロビー)の中心で十字架のように両腕を広げ動かない。 その可憐な顔に浮かぶ表情は疲れていると言うよりも、憑かれているような無表情。 愛くるしい笑顔を振りまく王女は死に、哀も苦しみも感じない魔女が生まれた。 彼女こそが秘宝。 王が愛する娘の骸を使い、違法外法魔法秘法の全てを用いて造り上げた意思持つ傀儡。 その貴石のような奇蹟の軌跡は数多の意思や意志、遺志までも路傍の石を蹴るように鬼籍に入れ生み出された。生まれてから先程までは、紙を破るように簡単に殺す、神のようなチカラを内包した無垢なる姫だった。 しかし、今では戦であったら偉業とも言える単騎での殲滅を容易く行える異形。 しばらくすると、何も映さない鏡のような表情は崩れ落ち、屈み込む。 全てが死んだ白を基調とした城の中、響く音は一つ。 総てを殺した少女の嗚咽。 獣の鳴き声のような泣き声を上げながら、城の全てにチカラを流す少女。
後の世に、不視の魔城に住むと呼ばれる不死の魔女。 その誕生の物語。 〜fin.〜 全文に駄洒落を入れるには無理でした。 まあほとんど「アルミ缶の上にある蜜柑」ではなく「そんなバナナ」「鬼灯に頬ずり」みたいな駄洒落ですが。 つか、一文じゃなくて二文、三文で駄洒落になてるのもあったり。 まぁ、楽しかったです。 ノシ
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搾取:本人曰く、ノリと勢い ( No.6 ) |
- 日時: 2008/09/23 19:12
- 名前: cacao.
- 秋季に秋桜、花だけに、幸咲きが宜しいです
いやはや全く、剣劇とは全くの予想外ですよ
血塗られて恥塗られて、驚き轟き、湖上の古城の、乱撃の波乱撃
強引なマイウェイ、ランナーズハイ、デットエンドからの再生事変 纏まってるね、うん、纏まってるよ、これはこれでいいものである
唖然とし、平静を装い 毅然とし、冷静を保ち
実態は実体自体に実態は無く 怒りが起こった事として有る では、いただきます
もぐもぐ、むぐむぐ……むしゃむしゃむしゃ、ばくん
ぐふゅう。うむ、生レバーにミントティーをぶっかけたような、スイートで強引な血と肉の味だ 一見すると、色々とヤバイもんも入ってそうな印象を受けるのだが どうやらシェフは、汚物を取り除くのが上手であるらしい 初めから料理にはそんなものは入っていないのか、もしくは なんらかの隠し味を入れて、肝心な所を誤魔化しているのか
うむ、なかなかに良い味だったぞ
だーが人間とは、食べても食べても、また次の日にはお腹の空いている哀れな生き物であらせられるぞ 『だじゃれ文章』 は、もうしばらく続く予定です。 『パンを食べる』と共に、投稿をお待ちしております
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